【9月6日 Xinhua News】2023年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)が2~6日の日程で、北京市の国家会議センターと首鋼園区で開かれている。パナソニック(中国)の趙炳弟(ちょう・へいてい)総裁はこのほど、新華社の取材に応じ、パナソニックが中国市場に大きな自信と期待を持っていると明らかにした。

 今回初めてCIFTISに会場出展での参加を果たした同社は、「未来のスマートシティー」ジオラマを通じて「緑能(新エネルギーの水素燃料電池)」「優店(環境に配慮した店舗ソリューション)」「智造(スマート製造ソリューション)」「慧行(EVを支えるデバイスやサービス)」「悦住(健康で快適な住宅空間ソリューション)」という五つのテーマで関連製品とソリューションを展示した。

 趙氏は、同社が中国の発展の方向性とマッチする多くの製品を擁し、常に中国での実際のニーズを踏まえて事業を開拓していると強調。その例として中国が提起した二酸化炭素(CO2)排出量の30年までの減少転換、60年までの実質ゼロを目指す「双炭」目標に合わせ、ここ数年ゼロカーボン工場や水素燃料電池、新エネルギー自動車部品などの分野において環境事業の発展を積極的に推進していることを挙げた。

 統計によると、同社が中国に持つ工場38カ所のうち、ゼロカーボン工場は5カ所を数える。多くの家電、住宅設備製品には省エネ技術が用いられており、CO2削減貢献量は約241万9千トンに達する。今回展示したジオラマでも、中国で初めての冷却熱電併給(CCHP)水素エネルギー実証プロジェクトやエネファーム水素燃料電池の家庭での応用、環境に優しい持続可能な店舗ソリューションなど、各種グリーン(環境配慮型)・低炭素ソリューションが紹介されている。

 健康や高齢化の分野で中国社会が抱えている課題を踏まえ、同社は中国初の健康養老社区(コミュニティー)を創設。アプリを通じて空気や光、水などのスマート制御を実現し、1170世帯に快適な居住環境を提供した。趙氏は「日本の高齢化は中国より10~20年早い。パナソニックは高齢者介護や高齢者対応の面で多くの経験を蓄積してきた。健康な居住空間のコンセプトを中国で広め、シルバー産業の発展を後押ししたい」と語った。

 同社の中国事業規模は現在1200億元(1元=約20円)余りに達し、グループ全体の27%を占めている。趙氏は、同社が中国市場を大いに重視し、世界の製造センターとしてだけでなく、イノベーションセンターとしても位置付けているとし、中国にいる従業員4万人余りのうち、研究開発担当者が1万人近くに上ることを明らかにした。

 今年は中国の改革開放45周年に当たる。趙氏は「当社は改革開放後の中国に最も早く進出した日本企業の一つであり、中国の発展を見届け、中国の改革開放による恩恵を受けてきた。未来に向けても、中国市場に大きな自信と期待を抱いている」と述べた。また、中国では多くの国内資本企業が急速に発展しており、コスト意識やビジネスモデルの革新などで注目すべき長所を持っているとし、同社は現在持っている優位性を発揮しつつ、より多くの産業分野で中国国内企業と提携し、今後の事業発展を共に推進していきたいと抱負を述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News