【9月4日 AFP】ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)は3日、問題が山積する中で、チームはW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)のエベレストに登る準備をしてきていると述べた。

 日本代表はこの日、チームのベースキャンプ地となる仏トゥールーズ(Toulouse)に到着。市庁舎での歓迎セレモニーに出席した。

 プールDに入った日本の世界ランキングは14位となっており、その他の4チーム中3チームはランキングが上位になっている。前哨戦では4試合中3試合で黒星を喫しており、大会前最後のイタリア戦では21‐42で敗れた。

 選手たちに世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8849メートル)の写真を見せたと伝えられているジョセフHCは、「選手たちには、この挑戦が大きなものになることを理解してほしい。フランスに到着してわれわれは死の領域に入ったところだ。W杯はテストマッチで負ければ大変なことになるという意味での、死の領域だ」と述べた。

 それでもブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)は、過去2大会のW杯ではその死の領域で成功をおさめ、プール戦8試合で7勝を挙げている。2015年のイングランド大会(Rugby World Cup 2015)では3勝を挙げるもボーナスポイントを獲得できずに敗退したが、2019年の日本大会(Rugby World Cup 2019)ではプール4連勝を飾り、最終的に優勝した南アフリカに準々決勝で敗れたものの、自分たちのエベレスト登頂に成功した。

 今大会をもっての退任を表明しているジョセフHCは、30歳以上の選手を14人、29歳の選手を4人選出。これについて指揮官は「過去に好成績を収めたチームは、いつでも豊富な経験があるとわれわれは分析した。危機的状況に直面したり、プレッシャーに対処したり、そういった状況でプレーできる選手はより経験があるという傾向があり、それがわれわれの選んだプレーヤーだ」とコメントした。

 10日のチリ戦で大会初戦を迎える日本は、第2戦でイングランド、第3戦でサモア、第4戦でアルゼンチンと対戦する。イングランドは前回大会準優勝を飾ったものの、急激に調子を落としている。サモアは過去2大会での対戦ではともに勝利しているものの、7月の強化試合では敗戦を喫した。そして、アルゼンチンはW杯でのプレッシャーにも負けない強さを持っている。

 キャプテンの姫野和樹(Kazuki Himeno)は「ここからは生きるか死ぬかの戦い。そこで必要なのが命懸けの覚悟」と述べている。(c)AFP