ノーベル賞授賞式、ロシアも招待 反発広がる
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【9月2日 AFP】スウェーデンにあるノーベル賞(Nobel Prize)の運営団体ノーベル財団(Nobel Foundation)が今年の授賞式にロシアとベラルーシの大使も招待すると発表したのを受けて1日、ウクライナ外務省とスウェーデン首相、ベラルーシの反政権派が反発を示した。
ノーベル財団は昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を理由に、ストックホルムでの授賞式と晩さん会にロシアとベラルーシの大使を招待しなかった。しかし8月31日、今年は従前通り、「スウェーデンとノルウェーに駐在するすべての国の大使」を招待すると発表した。ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の授賞式は、ノルウェーの首都オスロで行われる。
ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ(Oleg Nikolenko)報道官はフェイスブック(Facebook)で、「ウクライナ国民数千万人がいわれなき戦争に苦しめられ、ロシアの政権は犯した罪の罰を受けていない」として、ノーベル財団はロシアとベラルーシを孤立させる取り組みを支援するべきだと主張した。
ベラルーシの反政権派指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏はX(旧ツイッター〈Twitter〉)で同財団に対し、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領率いる「違法政権」の代表を「いかなる行事にも」招待しないよう求めた。
スウェーデンのウルフ・クリステション(Ulf Kristersson)首相はAFPの取材に対し、「招待者を決めるのはもちろんノーベル財団の役割だが、多くの人と同様、ロシアが招待されたことには非常に驚かされた」「私が担当していたら、そんなことはしなかっただろう。スウェーデンとウクライナ両国の多くの人の混乱は理解している」と書面で回答した。
これに対し、ノーベル財団のビダル・ヘルゲセン(Vidar Helgesen)理事長は「世界の分断が深まり、意見が異なる者同士の対話が減っているのは明らかだ」と主張。「われわれはこうした傾向に対抗するため、招待枠を広げている。ノーベル賞と、自由な科学、自由な文化、自由で平和な社会を祝い、理解するためだ」と説明している。(c)AFP