写真=ユートイメージ提供(c)NEWSIS
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【09月01日 KOREA WAVE】韓国で、うつ病によって病院を訪れる20~30代の患者が、この4年間で2倍近く増えた。特に、新型コロナウイルス感染で変わった生活方式に適応できなかった若年層の診療が増えたようだ。

健康保険審査評価院の資料によると、2017~21年にうつ病患者は68万人から91万人へと34%増加した。このうち20~30代は15万9000人から31万人へと2倍近く増加した。

特にうつ病患者は、新型コロナウイルス感染期間だった2020~21年に最も大幅(7万2977人)に増えた。30代の男女うつ病患者や20代男性うつ病患者が同期間、最も大幅に増加した。

江東慶煕大学病院精神健康医学科のパク・ジンギョン教授とともに急増した20~30代のうつ病について調べてみた。

――若者の診療室訪問が増えましたか、新型コロナウイルス感染の影響はありましたか?

「保健福祉省保健医療ビッグデータ開放ポータルによると、新型コロナウイルス感染を基点に20~30代のうつ病診断率が増加したことがわかります。新型コロナウイルス感染で生活パターンが大きく変わったため、若年層が生活方式の変化に適応できず苦しんでいると解釈できます」

――憂鬱・不安障害はどのように区分しますか

「うつ病を診断する際、主な症状として不安があるかもしれません。二つが同居する場合も多く、不安障害を長い間患っていると、うつ病障害が合併症になったりします。でも、不安障害を診断する専門的な診断基準もあります。うつ病障害と不安障害を見分けるのは医師の役目です。症状だけで診断できる部分ではなく、患者の状態や状況によって判断できます」

――どんな症状がある時に病院に行かなければならないでしょうか?

「うつ病障害や不安障害は、さまざまな要素が複合的に構成されています。憂うつ感は正常な感情です。しかし、これと共に万事が面倒で、焦って、どうしたらいいかわからない症状があれば、疑ってみなければなりません。これらの感情はうつ病障害の気分症状に属します。うつ病障害の診断基準で、このような気分症状は3分の1程度を占めています」

「他の代表的な症状の一つが思考症状です。憂うつ感や不安に蚕食されて『私はなぜ生きるのか』『私は価値がない』と考えることです。若い人たちが話す自壊感や『私のせいだ』という考えもここに属します。この考えの症状が深刻になると、『死んだ方がましだ』『私だけいなくなればいい』とまで拡張されます。また身体症状または行動症状で眠れないとか、途中でよく目が覚めたり、食欲ががた落ちしたりする症状が出ます。深刻になると、体が重すぎて動きにくいという無気力な症状も現れます。憂うつ・不安で否定的な考えから抜け出さなければ病院診療が必要です。何よりこのような理由で日常生活が大変だったり無気力になったりして職業、学習領域、対人関係で問題が生じた場合は必ず専門医に会うことをお勧めします」

――どんな治療を受けますか?

「最も実質的で現実的な治療は薬物治療です。よく精神健康医学科治療といえば相談治療、より正確な用語では精神治療を考えますが、基本的に病院を訪れて診断された患者のほとんどは、薬物治療とともに精神治療を並行することになります。最も手早く、効果的だからです。もちろん薬物治療だけですべての症状を好転させることはできませんが、うつ病・不安障害症状の相当部分が身体的症状である点を考慮すると、薬物治療は非常に適切な治療方法だと言えます。完治するための基礎的な足場としての役割を果たしていると言えます」

――最後に必ず言いたいことがあれば。

「『君だけが大変なのではない』とか『どれだけ大変なのかよく知っている』という生半可な言葉や忠告は控えるべきです。知人の辛い状況を眺めてくれて、ただ聞いてくれるだけでも十分に役に立ちます。うつ病障害とは、うつ病という症状を一部持っているだけで、実はさまざまな症状が複合的に集まった病気です。不安障害も同様です。うつ病障害や不安障害を『心の病気』と言いますが、決して間違いではありません。しかし、心、気分症状は診断基準の3分の1を占め、残りの考えと行動の症状が集まって、うつ病障害や不安障害と診断されます。精神健康疾患は『心の病気』だけでなく、神経系統の複合的な疾患で、健康な身体が必ず後押しされなければならないものです。うつ病を克服するためには、よく寝て、よく食べて、よく休むように配慮しなければなりません」

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News