【9月1日 AFP】モロッコで休暇を過ごしていた男性2人が、水上バイクで誤って隣国アルジェリアに入り、沿岸警備隊に射殺された。モロッコのメディアが8月31日、報じた。

 事件が起きたのは同29日。射殺されたビラル・キッシさんとアブデラリ・メルシュエさんはフランスとモロッコの二重国籍を持ち、4人グループで休暇を過ごしている最中だった。

 ニュースサイトLe360は目撃者の話として、モロッコ北西端のビーチリゾート、サイディア(Saidia)沖で、水上バイクに乗っていた4人が誤ってアルジェリア海域に入ったと伝えている。

 同じく2重国籍のスマイル・スナベさんはアルジェリアの沿岸警備隊に逮捕され、同30日に送検された。

 モロッコのニュースサイト「アルオムク(Al Omk)」は、4人グループの一人で、キッシさんの兄弟のモハメドさんが「迷ってしまったが、進み続け、アルジェリアに入ってしまった」と語ったと伝えた。

 モハメドさんは、「アルジェリアの黒いゴムボートがこちらに向かってきたので、モロッコから出てしまったと気付いた」と話した。そのボートの乗員が4人に向かって発砲してきたという。

 燃料も尽きてしまったモハメドさんはモロッコ海軍に救助され、サイディアの港まで戻って来た。

 モロッコとアルジェリアの国境は1994年から封鎖されているほか、アルジェリアは2021年にモロッコと断交した。

 モロッコ政府の報道官は今回の事件について、「司法に委ねられる問題だ」とのみコメントした。

 アルジェリア側にもコメントを求めたが回答はなかった。(c)AFP