【9月1日 AFP】サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)でスペイン代表を優勝に導いたホルヘ・ビルダ(Jorge Vilda)監督が、同国サッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長による性的スキャンダルが騒動となっている中で、退任に追い込まれる見通しだと地元メディアが31日に報じた。

 先月20日に豪シドニーで行われたW杯決勝の表彰式で、ルビアレス会長がスペイン代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)の唇に一方的にキスをした問題への抗議として、現在代表選手80人以上が、連盟の責任者が入れ替わるまでストライキを行う姿勢を示している。

 女子のスペイン代表は2022年9月にも連盟に対し、ビルダ監督の指導法に抗議するだけでなく、移動時の条件やサポートスタッフの人数に加えてその他の待遇改善を要求しており、それ以来ビルダ監督とルビアレス会長は盟友関係にある。

 報道によると、RFEFの各地域代表はこの日の会合で、ビルダ監督が退く必要があるという意見で一致したという。しかし同監督は、現職を離れる場合は連盟での別のポジションを望んでいると伝えられた。

 ビルダ監督は前週、ルビアレス会長が先日開かれた連盟の臨時総会で辞任を拒否した上に「偽りのフェミニズム」と言い放ったスピーチに拍手を送っていたが、その後になって同会長の振る舞いは「不適切で容認できない」と手のひらを返していた。

 ルビアレス会長に対しては、国際サッカー連盟(FIFA)が90日間の暫定資格処分を科したほか、スペイン政府が独自の制裁を模索し、RFEFも辞任を要請している。

 また、今回の騒動を受けて、スペイン代表チームはコーチスタッフの大半が辞任を申し出たが、ルビアレス会長がビルダ監督の大幅な昇級を伴う新契約を公言したため、辞任の意向を示さなかった。(c)AFP/Rik Sharma