世界に羽ばたく中国のSF小説、その背後にあるものとは
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【9⽉4⽇ Peopleʼs Daily】10月には中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で第81回世界SF大会が開催され、SF文学界で最も権威のあるヒューゴー賞の受賞者が発表される。今回のヒューゴー賞(Hugo Award)では中国関連が五つの部門で候補に挙がり、最優秀短編賞では中国人作家4人が候補だ。
中国のSF小説が世界に向けて本格的に羽ばたき始めたのは2010年以降だった。中国系米国人作家のケン・リュウ(Ken Liu)が2011年に陳楸帆(Chen Qiufan)による短編SFの「麗江の魚」を英訳してネットで発表した。2014年には劉慈欣(Liu Cixin)の長編SFシリーズ「三体(英題:The Three-Body Problem)」の第1部が英訳出版された。「三体」第1部の英訳版は2015年にヒューゴー賞を受賞した。
英語圏では中国のSF小説に対する熱烈な反響が発生し、すぐに他の言語圏にも伝わった。ドイツの老舗文芸出版社であるハイネは2016年にドイツ語版の「三体」第1部を発行して大成功すると他の中国人SF作家の作品を発掘するようになり、2020年にはケン・リュウが手掛けた英訳版の中国人作家によるSF短編小説選集「ブロークン・スターズ(英題:Broken Stars)」をドイツ語訳して出版した。この小説集には14人の作品が収録されている。
2017年に創刊された中独2語によるSF雑誌「カプセル」は、より密接な中国内外の協力モデルだ。同誌では中国人とドイツ人による編集部が共同でテーマを決め、共同で翻訳している。そして誌面で中国のSF小説の多元的な生態と活気を紹介するだけでなく、中国とドイツの若手SF作家による対話イベントを何度も実施してきた。
中国のSF佳作は、活発な翻訳や紹介、普及の活動を通じて、海外の読者に活力と多様性にあふれ、宇宙や未来に対する意欲に満ちた中国を感じさせることになった。
劉慈欣は「三体」シリーズで新たな宇宙叙事詩を展開し、同世代の韓松(Han Song)は「潜水艦」「仏性」のような短編で荒唐無稽でありながら哲学的な幻想世界を示した。若い世代の陳楸帆は「荒潮」で、科学技術の進歩で人類にもたらされる奇妙な光景と中国南部の島の社会形態を示した。江波(Jiang Bo)の「絶対診断」は完璧なロボット医師の意図的な誤診を通じて、現在話題の人工知能(AI)に絡めた考えさせられる未来像を提供した。
若い世代のSF作家の成長は中国の発展と同期している。彼らは技術文明とその問題点に対する感受性や、世界と中国の複雑な関係に関する体験を持つ。技術面や経済面での中国の巨大な変化や世界との関係がSF作家に新しい創作のインスピレーションを提供している。これこそが、中国の新世代SF作品が世界で評価される重要な要因だ。
中国現代SF小説の世界への道は、SF文学を媒介として中国と世界が未来への想像の中で何度もつながり、相互作用してきた歩みだ。この道が無限の彼方にまでつながると信じる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News