中国のハイテク技術に日韓の政府系機関や企業が注目
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【8月31日 Xinhua News】中国吉林省長春市で27日までの5日間、第14回中国・北東アジア博覧会が開かれた。プロジェクトの契約総額は844億7500万元(1元=約20円)。中国企業が出展した最新技術やハイテク製品は日本や韓国の政府系機関や企業の高い関心を集めた。
日本科学技術振興機構の米山春子参与は「日本に比べ、中国の技術者は若く活力に満ち、ハングリー精神にあふれており、中国の科学技術の急速な発展の一因となっている」と指摘。「中国の科学技術発展の先行きを楽観しており、人工知能(AI)やビッグデータなどの技術革新の進展に期待している」と語った。吉林省は最近、光電子情報やスマート製造、医薬・健康、現代農業、新素材、新エネルギーなどの最新技術成果やハイテク製品を15件発表している。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)長春貿易館の李成鎬(イ・ソンホ)館長は「今回の博覧会が北東アジア地域諸国の新たな産業を育成し、国家間協力を進展させる契機になることを期待している」と述べた。
李氏は「長春は自動車産業クラスターの強化プロジェクトを進めており、韓国政府も環境に優しい新エネルギー自動車産業の育成と投資に力を入れている。中韓両国のこの分野における協力の余地は大きい」と指摘。「4月に長春で開かれた中国(長春)-韓国の未来産業(自動車部品)経済貿易交流会では、50社を超える両国企業の代表らが交流を深め、国境を越えた協力を模索した。協力の好例と言える」と語った。
中国東北地区ではここ数年、重要な科学技術成果が次々に生み出されている。中国科学院長春光学精密機械・物理研究所が手がけた世界最大口径の高精度SiC(シリコンカーバイド)光学用非球面ミラーの製造から、ハイエンド裏面照射型CMOSイメージセンサーまで、数々の新製品や新技術が世界最先端水準に達しており、提携を探る日本や韓国の政府系機関や企業も増えている。
大手総合商社、丸紅の篠田聡夫中国総代表によると、同社は吉林省の化学メーカー吉化集団などと長年にわたって取引してきたほか、長春中日友好浄水場の建設協力や省内の不動産開発事業に携わってきた。同省のハイテク技術の発展に伴い、農産品や食品などにも協力の場を広げ、現在はスマート農業への取り組みを進めている。篠田氏は「吉林省は風力や太陽光、再生可能エネルギーに恵まれている。新エネルギーやカーボンニュートラル(炭素中立)分野での協力を実現させたい」と語った。
取材に応じた専門家らは、中日韓3カ国がハイテク分野で協力しながら交流を深めることは、友好的な競争の発展原動力になるだけでなく、協力の進展により多くの可能性をもたらすとの見方を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News