【8月31日 Xinhua News】中国青海省(Qinghai)文物考古研究院は28日、同省海西モンゴル族チベット族自治州都蘭県にある夏爾雅瑪可布(シャルヤマカブ)遺跡の発掘調査で、古墓3228基を発見したと発表した。考古学専門家は、中国北西部にある先秦時代の墓群の中では数量が最も多いとの見方を示した。

 遺跡は青銅器時代諾木洪(ノムホン)文化の大型集落跡で、住居跡と墓地からなる。年代は紀元前1500年~同1000年ごろで、中原地域(黄河中・下流域)の商(殷)・周時代に相当する。

 発掘調査は同研究院と西北大学文化遺産学院(陝西省西安市)からなる合同発掘チームが2021年に開始。発掘プロジェクト責任者の杜瑋(Du Wei)氏によると、23年度の発掘面積は500平方メートルで、探査と試掘により遺跡の総面積と機能区分を確認した。居住エリアの面積は約7万平方メートルで、石垣や城壁、住居建築の基礎、銅の製錬・鋳造跡など重要遺構が発見された。

 3カ所で見つかった墓地の総面積は12万平方メートル。確認された墓3228基のうち52基が発掘された。杜氏は「土器と銅器、石器、玉器、骨器、木器のほか、織物や人骨、動植物遺物が多数見つかった。ノムホン文化を研究する上での実物資料になる」と語った。

 ノムホン文化は青海省の地域的特色を備えた青銅器時代の考古学文化で、主にツァイダム盆地とその周辺地域に分布する。シャルヤマカブ遺跡は同文化の典型的な代表であり、出土遺物が豊富で保存状態も良いことから高い発掘価値を持つ。(c)Xinhua News/AFPBB News