【8月30日 AFP】ベルギー政府は29日、亡命希望の単身男性について、国内シェルターでの受け入れを一時的に停止すると発表した。シェルター不足を受けた措置。

 ベルギーでは昨年から亡命希望者の流入が急増しており、すでに逼迫(ひっぱく)していた受け入れ制度の負担が深刻化している。

 ニコール・デムーア(Nicole de Moor)難民・移民担当国務長官は今回の措置について、入国する家族や子どもの数が増えることが予想されるためと説明した。「子どもたちが路上で倒れるような事態は避けたい」としている。

 また、欧州連合(EU)加盟国内での難民・移民の受け入れに関する負担が不平等だと指摘した。

「わが国は長年、相応以上の受け入れをしてきたが、これ以上続けるのは不可能だ。今年はこれまでに1万9000人以上の亡命希望者が登録している。一方、人口が同じぐらいのポルトガルの受け入れ人数は1500人だ」

 EU加盟国は6月上旬、長らく停滞していた亡命希望者受け入れに関する規則の改正で合意した。亡命希望者の受け入れ負担をEU全体で分担し、受け入れを拒む国は受け入れ国に金銭を支払うことが盛り込まれている。

 だが、改正案の採択をめぐり、加盟国間で激しい議論となっているほか、欧州議会による承認も必要となる。(c)AFP