デンマークのヒッピー「自治区」、麻薬取引ストリート閉鎖の意向
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【8月29日 AFP】デンマークの首都コペンハーゲンにあるクリスチャニア(Christiania)地区は27日、銃撃事件が相次いだことを受け、麻薬取引で悪名高い「プッシャーストリート(Pusher Street)」を閉鎖する意向を表明した。
クリスチャニアは50年以上にわたり、自主管理コミュニティーとなっており、ヒッピーやアーティストが集まっている。
プッシャーストリートについてクリスチャニアは、「閉鎖し、それを維持するリソースも権限もない」として、政府に協力を仰いでいる。
クリスチャニアでは、マリフアナなどのソフトドラッグは違法だが、大目に見られおり、薬物の違法取引や犯罪組織の存在が問題となっている。
26日には、犯罪組織とつながりがある男性(30)が銃殺される事件が起きた。2020年以降、プッシャーストリート付近で発生した射殺事件はこれで4件目となる。
クリスチャニアの住民約900人は、政府が介入し、プッシャーストリートを閉鎖するよう望んでいる。
ピーター・ホメルゴー(Peter Hummelgaard)法相はテレビのインタビューで、政府は「持続可能な変化」を望んでいるとし、住民、警察、コペンハーゲン市、政府で構成する作業部会が立ち上げられ、解決策を検討中だと述べた。
クリスチャニアは1971年、使われなくなった兵舎にヒッピーの集団が住み着いたのが始まり。平和と愛の原則のもと、集団により意思決定をし、法律がない新社会の確立を目指した。
毎年約50万人の観光客が訪れている。(c)AFP