【8⽉31⽇ Peopleʼs Daily】人民日報(People's Daily)はこのほど、貴重な古書籍を大量に所蔵する中国国家版本館(国家文献アーカイブ館、National Archives of Publications and Culture)の劉成勇(Liu Chengyong)館長が執筆した文章を発表した。以下は、同文章の主要部分だ。

 古い書籍を所蔵する国家版本館は現在、中央総館の文瀚閣と西安(Xi'an)分館の文済閣、杭州(Hangzhou)分館の文潤閣、広州(Guangzhou)分館の文沁閣から成り立っている。所蔵品はいずれも中華民族の文化の宝だ。

 国家版本館が所蔵する実物の古書は分館を合わせて約2400万冊(件)で、国家版本データセンターは約5億件のデータを収集した。社会に向けて現在までの開放されたデータは計2400万件余りだ。展示されている書籍は種類がそろっていて極めて貴重なものだ。

 古書は時空を越え、人類文明の交流と融合を生き生きと物語る。張騫(Zhang Qian)の西域行き、玄奘(Xuanzang)の天竺行き、鑑真(Jianzhen)の日本への渡航、鄭和(Zheng He)の大航海――。国家版本館が展示している書籍は、さまざまな歴史段階におけるさまざまな文明との出会いや交流、相互参照に至る非凡な過程が記録されている。

 例えば1132年に刷られた宋思渓蔵本「大唐西域記」は唐代の玄奘がシルクロードに沿って西行して経典を取得した経緯を詳述している。フランス人のベジエが同国王室のために1688年に著したフランス語の「論語導読(論語読解ガイド)」は、フランス語で初めて孔子の思想を伝えた書物だ。

 国家版本館は先ごろ、文化交流デーを2回開催した。座談会には60か国以上の中国学者88人と、文化展示関連や出版などの外国人専門家30人余りが出席した。海外の専門家は国家版本館の建物や良質な展示、壮大で豊かな文化の宝に驚嘆し、国家版本館との交流・協力を強化し、海外に残る中華文明の典籍資料の伝承や保護を共同で推進することに期待を示した。

 国家版本館の主たる仕事は収蔵だ。社会の末端や民間、海外を対象に徹底的な調査と収蔵を推進し、収集すべきものはすべて収集することを目指している。散逸したり海外に流出した中華文明の典籍資料を改めて集めることで人類文明の優れた成果である書籍を網羅して、人類の発展と進歩のための文明の力を形成する。

 民族によって異なる文明は多彩だ。それぞれに優劣はなく、特色の違いだけがある。国家版本館は豊富で重厚な収蔵品を土台にして、文明交流と相互参照を強化し、文化交流メカニズムと対話プラットフォームを構築し、国際的な文化交流活動を深く展開し、企画し、実施し、国内外の中華文化研究に従事する専門家に集まっていただき文化理論の研究と対話を展開している。

 同時に科学技術や産業、芸術の力を借りて紹介の方式を積極的に革新し、文化の伝播の多様な方法を模索している。本館は古書の中に埋蔵された中国文化を掘り起こし、表現し、古書の背後にある歴史と文化の物語を生き生きと語り、文明の美しさと文化の華を展示し伝播する役割を担っている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News