【8⽉30⽇ Peopleʼs Daily】「おさげの髪まで細かく見えるなんて、本当に不思議!」――。先ごろ中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で開催された第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ夏季大会(成都ユニバ、FISU World University Games)に中国代表団の一員として出場した陸上競技の呉艶妮(Wu Yanni)選手は、キャラクターフィギュアを見て驚きの声を上げた。

 成都ユニバ選手村の科学技術サービスワークステーション3D写真館では、7月22日から8月11日までの期間に誕生日がある各代表団のメンバーに、精巧な「自分自身」のフィギュアを無料でプレゼントした。

 広さわずか7平方メートルのスタジオ内には82台のカメラがずらりと設置され、3秒内に800以上の異なる角度からの写真を撮影した。さらにAIクラウドモデリングの技術と3Dプリンティングの技術を活用してフィギュアを製作した。

 スタッフの顧栗(Gu Li)氏によると、製作可能なフィギュアの一般的なサイズは9センチから18センチまでの4種類で、大きくなるほど精細度に対する要求が高まる。成都ユニバで提供されたフィギュアはいずれも最大サイズの18センチのものだった。出来上がったフィギュアは色があせにくく、何年も保存できるという。

 ホスト側の心尽くしにより、世界各地から集まった大会参加者の忘れられない思い出になった。多くの選手は自分の「お得意の姿」を撮影してもらった。シンガポールの新体操選手は難度の高い技をしてみせた。ポーランドのある選手は弓を引き絞るポーズをした。成都ユニバのマスコットである「蓉宝(ロンバオ、Rong Bao)」の帽子をかぶり、カメラに向かって筋肉を見せつけた「ギャップ萌え」を狙った選手もいた。水着姿で撮影してもらった選手や、獲得したメダルと共に撮影に臨んだ選手もいた。

 顧氏によると、フィギュアの製作に当初は約15日間がかかったが、4日間に圧縮することができた。このことで、より迅速に「誕生日プレゼント」を渡せるようになった。

 成都ユニバでのフィギュア作りを担当したのは、3D人物フィギュアを手掛ける企業の速哇3D撮影だ。同社ビジネスディレクターの何星成(He Xingcheng)氏は、「成都ユニバの参加者たちが、中国の特色と成都の記憶を込めたフィギュアを持って故郷に帰ることは、中国の科学技術や中国文化を力強く普及させることにつながる」と述べた。

 成都ユニバの選手村では、それ以外にも多くの科学技術製品が「村民」の生活に利便性をもたらした。83言語の相互通訳を提供できるスマート翻訳システム、セ氏23度の清涼感を保つベスト、90秒以内にさまざまな風味のコーヒーを作ることができる「コーヒーロボット」などだ。成都ユニバは科学技術が生活に驚きに満ちた変化をもたらすことを示した大会でもあった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News