【8月27日 AFP】イスラエルのイタマル・ベングビール(Itamar Ben Gvir)公共治安相が占領地ヨルダン川西岸(West Bank)におけるユダヤ人入植者の権利を声高に主張し、物議を醸している。そうした中、25日にはベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相がベングビール氏に支持を表明し、火に油を注いだ格好となっている。

 人種差別主義者のベングビール氏は23日、国営テレビで、「ユダヤ・サマリア(Judea and Samaria)地区(ヨルダン川西岸の意)の通りを私や妻子が行き来できる権利は、アラブ人の移動の自由よりも重要だ」と述べ、パレスチナ人を対象とした移動制限措置を正当化する立場を示した。

 これを受け、パレスチナ系米国人のスーパーモデル、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)さんはインスタグラム(Instagram)に非難するコメントを投稿。ベングビール氏もXで、ハディッドさんは「イスラエル嫌い」だと反論した。

 一方、ネタニヤフ首相は声明で「ユダヤ・サマリア地区における移動の自由についてはイスラエル人にもパレスチナ人にも最大限認めている」と指摘。「不幸なことにパレスチナ人テロリストがこうした移動の自由に付け込んでイスラエルの女性や子ども、その家族を殺害している」とし、ベングビール氏を擁護した。(c)AFP