海洋放出開始 有識者「代替案を含め再検討すべき」
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【8月25日 CGTN Japanese】福島第1原子力発電所から出る放射能汚染水の海洋放出が24日に始まりました。これを受け、元共同通信客員論説委員の岡田充氏は24日、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のインタビューに対して、「海洋は国際公共財であり、汚染水はあくまで日本国内で処理するのが原則」と強調し、「海洋放出をいったん中止し、代替案を含め再検討すべき」と訴えました。
日本政府はこれまで、国際原子力機関(IAEA)が7月4日に提出した「国際的な安全基準に合致している」とした調査報告書に依拠するとして、「海洋放出の安全性と正当性が示された」と主張してきました。しかし、岡田氏は「報告書には、海洋放出の方針を『推奨するものでも承認するものでもない』との記載があり、海洋放出の安全性と正当性が示されたわけではない」と注意を喚起しています。さらに、市民団体による指摘を引用して、「タンクに貯蔵されている水の7割近くには、トリチウム以外の放射性核種が排出濃度基準を上回って残存している」、「海洋放出を実施した場合、放出を開始してからも増え続ける汚染水と放射性物質の総量がどこまで膨れ上がるのか、環境への負荷が未知数だ」と問題の深刻さに改めて言及しました。
また、「溶け落ちた原発の炉心に直接接触した汚染水を処理した水を、史上初めて海洋に放出する」事実を無視する自民党や政府要人による発言に警戒するよう呼びかけています。岡田氏は、日本政府が地元漁協をはじめ中国や太平洋島しょ国など関係国と民衆の反対を無視して海洋放出を強行するのは「放出が最もコスト・パフォーマンスがいいからだ」と指摘。同時に、海洋放出には100年以上かかるとする専門家の意見を紹介し、「我々は後世にこの問題のツケを押し付けてはならない」と述べています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News