【8⽉27⽇ Peopleʼs Daily】「今日は巫山の枝に実り、明日は庶民の食卓に」――。果物の一種である巫山脆李は、中国・重慶市(Chongqing)巫山県(Wushan)の特産品だ。今年も7月になり、巫山脆李を積んだ「専用機」が、巫山県から北京市、上海市、広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)などの大都市に向けての運航を始めた。運航初年の昨年には15日間にわたって毎日1便が飛んだが、今年は20日間の運航で、ピーク期には1日2便の運航になった。「脆李専用機」の増便は、中国国内の需要を反映するだけでなく、中国経済全体の活気を反映するものだ。

 国家統計局はこのほど、上半期の中国経済の推移を発表した。外部環境が複雑で厳しい状況であるにもかかわらず、中国経済は好調だった。上半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.5%増だった。上半期の経済成長率は昨年通年の3%を上回った。上半期全体では今年第1四半期(1-3月)成長率の4.5%がさらに上乗せされた。回復傾向は明らかだ。

 中国経済を読み解くには、成長率だけでなく、経済の構造や質も分析せねばならない。構造面では、上半期にはサービス業の付加価値がGDPに占める割合は56%に達し、最終消費支出の経済成長への貢献率は77.2%に達した。ハイテク産業の投資の成長率はすべての投資の成長率より目立って速く、産業、消費、投資構造は改善され続けた。質の面ではハイテク業界に勢いがあり、新産業が成長し、新業態が活発化した。そしてグリーンモデルへの転換と経済成長の協同発展の効果が出現した。総合的に見ると、前期比の成長率は4四半期連続で増加し、市場の活力が絶えず現れ出た。これらはすべて、中国経済の基盤が絶えず強化され安定し、「前進」の原動力の集積が加速し、質の高い発展が推進され続けていることを示す。

 中国経済を読み解くにも、グローバルな視野は必要だ。今年第1四半期、米国、ユーロ圏、日本のGDP成長率はいずれも前年同期比2%以下だった。世界経済の成長エネルギーが不足し、インフレ圧力が依然として比較的に大きく、世界貿易の成長率が鈍化している背景の下で、中国経済は回復・好転、物価安定、金融安定の発展態勢を実現した。最近になり、世界銀行(World Bank)や経済協力開発機構(OECD)など多くの国際組織が今年の中国経済の成長予想を上方修正した。

 中国経済を読み解く上で、外資系企業の動向も重要だ。今年になってから、テスラ(Tesla)は上海市臨港新エリアでの大型蓄電池装置の工場建設を決めた。エアバス(Airbus)は天津市(Tianjin)に2本目の生産ラインを建設することを発表し、アストラゼネカ(AstraZeneca)は山東省(Shandong)の青島(Qingdao)国家ハイテク産業開発区と投資協力協定を締結した。多くの外資企業が実際の行動で中国経済の将来性に「信任票」を投じている。すなわち、中国市場は将来性が高く依然として世界経済成長の主要なエンジンと見なされている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News