【8月25日 Xinhua News】日本政府は24日、福島放射能汚染水の海洋放出を開始した。香港特別行政区では22日に放出開始決定が伝えられて以降、各界から強い疑念と反対の声が上がり、「他人を傷つければ自分も傷つく」との考えが広がった。

 香港各界は連日にわたり、さまざまな形で国際社会の反対を顧みない日本政府に激しく抗議していた。

 香港政研会は各界有識者と共同で署名サイトを立ち上げ、日本政府の誤った政策に反対の意思を示した。発起人の一人で、香港ジャーナリスト連合会の郭一鳴(かく・いちめい)副主席は、日本の無責任なやり方に大きく失望したとし、海洋放出は世界の生態環境に深刻な影響を与え、人類の発展の脅威にもなると指摘。署名活動を通じて日本の海洋放出に引き続き注目するよう社会に呼び掛けていく考えを示した。

 民主建港協進連盟(民建連)や香港工会連合会(工連会)などの団体も放出開始決定後に次々と日本の駐香港総領事館を訪問。日本の行為を非難する横断幕を掲げ、抗議文を総領事館の代表に手渡した。

 香港特区立法会の陳穎欣(ちん・えいきん)議員は、日本政府は国内外の反対の声を無視し、国際社会の海洋放出計画の正当性、合法性、安全性に対する疑問を顧みず、計画が全世界の海洋環境と人類の健康に与えるリスクを軽視していると指摘。海洋放出計画のあくまで強行することは極めて利己的で無責任な行為だと非難していた。

 放射能の危険のほか、海産物に対する消費者の信頼がゆらぐことも懸念されている。香港の1人当たり生鮮魚介類消費量は長期にわたりアジアで上位に位置するが、日本の海洋放出計画は香港飲食界に「冷や水」を浴びせた。

 香港餐飲聯業協会の理事で日本料理店の責任者を務める陳強(ちん・きょう)氏は、汚染水放出関連のニュースで店の売り上げが大幅に落ち込み、このままなら業種転換や閉店も検討せざるを得ないと説明。売り上げは海洋放出開始後も下がり続けるとし「2、3カ月以内に日本料理店の多くが閉店の危機に直面する可能性がある」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News