【8月24日 AFP】ロシア連邦航空運輸局(Rosaviatsia)は、6月にロシア軍指導部に対する武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏が、23日に墜落した航空機に搭乗していたと発表した。

 非常事態省は23日、首都モスクワからサンクトペテルブルク(St. Petersburg)へ向かっていた自家用機が墜落したと発表。現時点で得られている情報によれば、乗客7人、乗員3人の計10人全員が死亡したとしている。

 航空運輸局がその後発表した搭乗者リストには、プリゴジン氏の名前が含まれていた。また、ロシア軍情報機関所属とされ、ワグネルの作戦を陰で管理していたドミトリー・ウトキン(Dmitry Utkin)氏も搭乗していたとされる。

 テレグラム(Telegram)のワグネル関連チャンネルは、野原で炎上する自家用機の残骸とする映像を公開した。AFPはこの映像の真偽を独自に検証できていない。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は同日、第2次世界大戦(World War II)中の「クルスク(Kursk)の戦い」から80年に合わせて演説を行ったが、この墜落事故には触れず、ウクライナでの「特別軍事作戦」で「勇敢に断固たる姿勢で戦っているすべてのロシア兵」を称賛した。

 一方、米、ウクライナ両政府は墜落の第一報に直ちに反応した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は「実際に何が起こったのかは分からないが、驚きはない」「ロシアではプーチン氏が背後にいない出来事はあまりない。しかし、答えを知るほど十分な情報がない」と語った。

 ウクライナのミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問はソーシャルメディアで、「2024年ロシア大統領選を前にプーチン氏からロシアのエリート層へ向けられた『気をつけろ!背信は死だ』とのシグナル」だとの見方を示した。(c)AFP