動く病院「健康エクスプレス」が新疆の患者に光明をもたらす
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【8⽉24⽇ Peopleʼs Daily】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)バインゴリン・モンゴル自治州(Bayingolin Mongol Autonomous Prefecture)コルラ市(Korla)のコルラ東駅の構内に虹の模様が描かれた「列車病院」の「シノペック光明号」が停車した。この「列車病院」は同地で今年5月17日に活動を開始して、支援を必要とする地元の患者のために無料の白内障手術などを提供した。
72歳のアブリズ・バウドゥンさんはコルラ市郊外からやって来た。アブリズさんは2年前に左目が見えにくくなった。アブリズさんは糖尿病や高血圧も患っており、家族にとっては大きな負担になった。「健康エクスプレス」に乗車してコルラ市にやって来た医療スタッフは現地で白内障の検査を実施した。白内障と判明したアブリズさんは列車内で無料で手術を受けた。
「健康エクスプレス」は中国国家衛生健康委員会と中華健康エクスプレス基金が白内障患者のために設立した慈善プロジェクトだ。2002年から新疆にも何度も乗り入れ、アクス地区(Aksu)、カシュガル市(Kashgar)、コルラ市、クイトゥン市(Kuytun)、クズルス・キルギス自治州(Kizilsu Kyrgyz Autonomous Prefecture)、イリ・カザフ自治州(Ili Kazakh Autonomous Prefecture)などで累計1万1220人の白内障患者に無料で手術治療を実施してきた。また、新疆ウイグル自治区人民病院、カシュガル地区第一人民病院、ヤルカンド県(Yarkant)人民病院、クズルス・キルギス自治州人民医院には、「基地病院」となる「健康エクスプレス眼科センター」が設立された。
北京朝陽病院眼科の馮婧(Feng Jing)副主任医師は「『健康エクスプレス』の内部は広くありませんが、医療規格に合致する検査設備や病室、手術室が完備されており、条件は整っています。専門の内科看護師もいます。基地病院にも関連する補助科があり、すべての患者の医療の安全を保障しています」と説明した。病状が複雑な白内障患者の場合には基地病院に移ってもらい、よりふさわしい医療を施すという。
今回の活動では「健康エクスプレス」の医療チームが鉄道の通じていないチャルクリク県(Ruoqiang)とチャルチャン県(Qiemo)に赴いて、視力の低い人の検査を全面実施した。検査を受けた人は200人で、うち100人近くが白内障と診断された。これらの患者は7月中旬に集中的に無料の手術を受けた。
中国の大手石油化学企業の中国石化(シノペック、Sinopec)も「健康エクスプレス」の事業に協力している。同社関係者によると、同社が事業に参加したのは2004年で、2007年には貧困な白内障患者を救済するために3000万元(約5億9930万円)を拠出して「シノペック光明号」を作った。シノペックは現在までに、「健康エクスプレス」公益プロジェクトに累計1億9200万元(約38億3553万円)を寄付してきた。「健康エクスプレス」はこれまで、中国の18の省(民族自治区と中央直轄市を含む)の47地域を訪れ、白内障患者5万3000人余りに無料で手術を施した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News