ヒトラー生家、10月に改修工事開始 オーストリア内務省
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【8月22日 AFP】オーストリア内務省は21日、ナチス・ドイツ(Nazi)総統、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の生家について、人権啓発施設を併設した警察署に改修する工事を予定通り10月に開始すると発表した。一方、ドキュメンタリー映画監督は、生家を官署として利用するのはヒトラーが望んでいたことだとし、計画に異議を唱えている。
ヒトラーは1889年、ドイツと国境を接するオーストリア北部ブラウナウ(Braunau)にある、広さ800平方メートルの建物で誕生。居住期間はわずかだったが、世界各地からネオナチが訪れていた。
政府はネオナチの「聖地」になるのを防ぐため、荒廃していた建物を2016年に接収し、改修を決定した。
内務省報道官はAFPに対し、改修工事は予定通り「10月2日に始める予定」だと認めた。
一方、この家に関するドキュメンタリーを8月下旬に公開予定のオーストリアの映画監督、ギュンター・シュバイガー(Guenter Schwaiger)氏は21日に記者会見し、政府に計画の再考を呼び掛けた。同氏は、生家を官署に改修するのがヒトラーの希望だったとする1939年5月10日付の地元紙の記事を示し、警察署に改修すればヒトラーの「意向に沿う」形になってしまうと語った。
改修費用は2000万ユーロ(約32億万円)程度。工事は2025年までに完了し、2026年に警察署として開設する計画だ。(c)AFP