水深1500メートルで初めて海洋パイプラインの清掃作業 中国海南省
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【8月21日 CGTN Japanese】中国最南部の海南省(Hainan)の沖合いにある、中国が独自に開発・建造した世界初の10万トン級海洋石油生産・貯蔵プラットフォーム「深海1号」大ガス田で20日、稼働開始から2年で初の水中パイプラインの清掃作業が順調に終了しました。超深水海域でのパイプラインの清掃作業は中国で初めてでした。
「深海1号」大ガス田は「超深水水中生産システム+半潜水型生産プラットフォーム」モデルを採用して海洋天然ガス資源を開発したものです。水深1500メートルに海中生産システムを配置しており、海洋パイプラインが海上と水中の生産施設を結んでいます。
水中パイプラインを通じて長期的に海底石油と天然ガスを輸送する過程では、人体に例えれば、「血栓」や「歯垢」のような付着物や腐食が発生することもあるため、パイプ内に「ピグボール」と呼ばれる清掃材を通す作業が行われます。
「深海1号」大ガス田の設計には、3件の水中パイプライン用「ピグボール」装置が配備されており、それぞれガス田内部の生産施設のパイプラインと外部輸送用パイプラインの清掃作業に使われます。今回実施された超深水水中パイプラインの清管作業は、ガス田内部の生産施設のパイプラインのみを対象としました。ピグボールの移動総距離は100キロを超えたとのことです。
天然ガスは低温・高圧の条件下で水和物を形成しがちであるため、超深水ガス田のパイプラインではガス輸送によって「氷詰まり」の現象が発生することもあります。そのことで、「ピグボール」が詰まるリスクも高まります。「深海1号」の作業チームは72時間を超える清掃作業中に、ガス田の安定したガス供給を確保すると同時に、ピグボールを時速約5~6キロでパイプ内を移動させ、作業を順調に終えたとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News