【8月18日 Xinhua News】中国電子商取引(EC)プラットフォームの「美団」と「大衆点評」が2018年から発表しているグルメガイド「黒真珠レストランガイド」は11日、広東省(Guangdong)深圳市(Shenzhen)で開かれた「2023黒真珠飲食インサイトサミット」で、「2023中国ファインダイニング産業洞察・深圳香港地域版」を発表した。この報告書は「ファインダイニング」を「客を中心に据え、その体験のたゆまぬ向上に努めるレストラン」と定義し、黒真珠レストランガイドやミシュランガイドなどで認定されたレストランをファインダイニングとして調査対象とした。

 今年2月に発表された最新の黒真珠レストランガイドには304のレストランが名を連ね、新顔は65レストランで過去最多となった。都市別では、北京、上海、深圳、香港、マカオなど中国の25都市のほか、日本の東京、タイのバンコク、シンガポールなどの海外の都市からも選出された。

 深圳市のフュージョン料理店「AVANT」も2月に新たに選出されたレストランの一つ。中国と西洋の風味の融合が魅力で、例えばパスタの定番ボロネーゼには貴州産の薫製肉を使い、中国の蒸留酒「白酒」も注ぐ。創業者の田沢宇(Tian Zeyu)シェフは「旅行中の味の記憶をテーマに、中国の食材と世界の調理法や要素を組み合わせ、中国のファインダイニング市場で一角を占めた」と胸を張る。

 中国では経済が急速に発展する中、ファインダイニングに大きな市場の余地が生まれている。粤港澳大湾区(広東・香港・マカオビッグベイエリア)では香港人の広東での消費意欲が大きく高まっており、美団のデータによると、深圳にある黒真珠レストランのページの香港からの訪問者数は前年同期比7・4倍に膨らんでいる。香港にある黒真珠レストランのページの訪問回数も7・9倍に増えた。

 ユニークで洗練された料理とエレガントな環境を備えたレストランは、大都市だけではなく小さな都市にも根を下ろしている。黒真珠レストランガイドの責任者を務める唐燕(とう・えん)氏は「黒真珠レストランに選ばれた店舗のページの訪問数は今年だけで最大2・5倍以上に増えており、多くがすでに現地のグルメ文化を代表するレストランとなっている」と語る。

 報告書によると、中国のファインダイニングレストランは22年、前年比1・5%増の4429店に上った。店舗数の都市別トップ3は上海(961店)、北京(688店)、深圳(476店)。選出された中華レストランのうち店舗数が最も多かったのは広東料理の店だった。

 同ガイドのビジネス分析を担当する郭寧瑄(Guo Ningxuan)氏は「中国のファインダイニング市場の取引額は22年、前年比7・8%増の559億元(1元=約20円)に達した」とし、中国経済の復調に伴い、ファインダイニング市場も明るい未来を迎えるとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News