「安全な場所ない」 極超音速ミサイルで8歳犠牲のウクライナ西部
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■「安全神話」も崩壊
ロシア軍はウクライナ西部に向け、極超音速ミサイルを使った一斉攻撃を行った。うち1発がウォロディミル君の自宅付近に着弾し、外にいたウォロディミル君は、その破片で致命傷を負った。
家の中にいたきょうだい2人は無事だった。目撃者や近隣住民によると、爆発で一帯の民家が揺れ、窓ガラスが吹き飛んだという。
担任の教師は「ウォロディミル君の席が空いたままで、ノートや教科書も閉じられたままだと思うと胸が締め付けられる」と語った。
息子がウォロディミル君と親しかったという女性(31)は、ウォロディミル君が「コロミアで最年少」の犠牲者になったと肩を落とした。息子に訃報を伝えたところ、「本当にあの子なの。勘違いでしょう」とにわかに信じなかったという。
今回の攻撃により、比較的平穏で、戦闘が続く東部や南部からの避難者を受け入れてきたイワノフランキフスク州の「安全神話」も崩壊した。葬儀の参列者の一人はAFPに対し、「安全な場所などどこにもない」と話した。
戦闘地帯から遠く離れたコロミア住民の多くは、空襲警報があっても気に留めないことが多かった。だが親たちは今、真剣に警戒するよう子どもたちに言い聞かせている。(c)AFP/Anuj Chopra and Daria Andriievska