Q:あっという間に延焼したのはなぜか

A:マウイ島の西側は、火山に雨雲が遮られてもともと降水量が少ないが、今年は特に乾燥している。

 土地の利用法も変化している。

 ロンドン大学経済政治学院(London School of Economics)で環境地理学を研究しているトーマス・スミス(Thomas Smith)氏は、「ラハイナ東方の農村部は、かつてはしっかりと管理されたプランテーションで、かんがい用水路や段々畑があった」と話す。

 耕作地は水やりの頻度が多く、植えっぱなしの植物もないため、火災に強い。だが、耕作地の大半は放置されるようになり、草や低木が生い茂ったため町の周囲には燃えやすい植生が大幅に増えた。

 さらに決定的だったのは、南西に数百キロ離れた海上でハリケーンが発生し、強風が吹き荒れていたことだ。

 ラハイナに向かって火山が傾斜しているマウイ島の地形も、大きな要因となった。

「斜面を吹き下りる風はからっとしていて暖かい。これが植物の乾燥を招き、大規模な火事に発展しやすくなる」とスミス氏は説明した。

Q:気候変動の影響は?

A:産業革命以降、温室効果ガスが大量に排出されて世界の平均気温が上昇。7月は、観測史上最も暑い月になった。

 山火事は自然現象だが、科学者は、温暖化によってこうした災害は悪化していると指摘。

 オックスフォード大学(University of Oxford)で生態系科学を教えるヤドビンダー・マルヒ(Yadvinder Malhi)教授は「気候変動により、あらゆる場所で気温が上昇し、乾燥が進んでいる」とし、「そのため、数十年前なら中程度で済んだ火災も、今は大火災になる」との見方を示した。(c)AFP/Patrick FALLON