【8月12日 AFP】ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は11日、国境地帯で緊張が高まっている隣国ポーランドとの「接触」を首相に命じたことを明らかにし、同国との対話に臨む用意があると述べた。

 長年冷え込んでいる両国の関係は、ルカシェンコ氏がロシアに自国領内からのウクライナ攻撃を許可して以来、さらに悪化。ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)がベラルーシに拠点を移したのを受け、緊張はさらに高まり、ポーランドは安全保障上の脅威だとして国境警備を強化している。

 国営ベルタ(Belta)通信によると、ルカシェンコ氏は「ポーランド側と話し合う必要がある。同国に接触するよう首相に命じた」「われわれは隣国同士だ。隣国は選べない」と主張。

「ポーランドでは10月15日に総選挙が行われる。当然ながら、ポーランド側は状況をエスカレートさせる必要がある。自国をしっかりと武装していると(有権者に)示す必要があるからだ」と述べた。

 ルカシェンコ氏が異例の発言を行った前日、ポーランドはベラルーシ国境に1万人を配備する計画を発表した。

 ポーランドのパベウ・ヤブロンスキー(Pawel Jablonski)外務次官は地元テレビ局ポルサット(Polsat)で、ルカシェンコ氏が「心からポーランドとの関係を改善したいと考えるなら、方法は非常に簡単だ」「わが国の国境を攻撃するのをやめ、1000人以上の政治犯と(ベラルーシ系ポーランド人記者)アンジェイ・ポチョブト(Andrzej Poczobut)氏を解放し、ポーランドに対する嫌がらせやハイブリッド戦争をやめる」ことだと呼び掛けた。

 さらに「わが国にベラルーシへの敵意は全くない」が、「ルカシェンコ氏は言行不一致」だと述べた。(c)AFP