なでしこ対スウェーデン、好対照なスタイルの激突に 女子W杯
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【8月10日 AFP】11日に行われるサッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)準々決勝の日本対スウェーデン戦は、好対照なスタイルの激突となる。
2011年大会女王の日本は、勝ち残っている中で唯一の優勝国。ここまで4試合で14ゴール、1失点の内容でベスト8に勝ち上がってきた。
今大会で数少ない3バックを採用したチームは、破壊力のあるカウンターアタックに加え、相手の守備の裏を突く正確なパスやゴール近くでの決定力の高さを見せつけてきた。中でもFW宮澤ひなた(Hinata Miyazawa)は、ここまで5ゴールで今大会最多得点を記録している。
対するスウェーデンも、ここまで1失点という堅い守備を土台に勝ち上がってきた。対戦相手にとってはフィジカルが厄介で、特にセットプレーで脅威になる。
しかし、日本戦を前に会見に臨んだペーテル・イエルハルドソン(Peter Gerhardsson)監督は、女王・米国をPK戦で破った決勝トーナメント1回戦のような「フィジカルな試合」にはならず、「より技術的で、早い展開になる」と予想し、「自分たちがポゼッションを握った時に素早くボールを動かし、フィジカルの優位性を最大限に生かしていく必要がある」と語った。
両チームの一番の違いが、そのフィジカルだ。
米国戦で先発したスウェーデンの選手の平均身長は、日本の前戦ノルウェー戦の先発メンバーのそれを6センチ上回る。中でも今大会3ゴールのDFアマンダ・イレステット(Amanda Ilestedt)と、FWフリドリーナ・ロルフォ(Fridolina Rolfo)の2人は、日本の選手の誰よりも高い178センチを誇る。日本の池田太(Futoshi Ikeda)監督も、スウェーデンの「スピード」と「高さ」に注意しなくてはならないと警戒している。
スウェーデンの武器がフィジカルならば、日本のアプローチはその正反対だ。
日本がこれまでに犯したファウル数20は今大会最少で、イエローカード、レッドカードを1枚ももらっていない。スウェーデンは、これまでに今大会最多58回のファウルを記録している。
両チームは2011年のドイツ大会準決勝でも対戦し、その時は日本が3-1で逆転勝利を収め、そのまま優勝を果たした。
スウェーデンは2年前の東京五輪で日本に同スコアで勝利しているが、DF陣の中心を担うマグダレナ・エリクソン(Magdalena Eriksson)は「日本は特にカウンターの面で、その時より非常に洗練されている。今の彼女たちは非常に素早く、前進するチャンスがある時は毎回仕掛けてくる」と述べ、東京五輪の時よりも幅が広がっていると警戒した。
会見で、スピードのある宮澤をCBでコンビを組むイレステットと共にどうやって止めたいかと質問されると、「日本の最もすごいところは、誰が攻撃に入っているかはあまり関係のないところ」「全選手が同調していて、明確なプレースタイルを持っている。チーム全体が脅威だ」と答えた。
この試合の勝者は、15日の準決勝でスペインかオランダと対戦する。(c)AFP/Andy SCOTT