【8月9日 AFP】正規軍と準軍事組織の武力衝突が続くスーダンで、野外に何千もの遺体が埋葬されずに放置され、インフラも破壊されたことから、深刻な感染症の流行が懸念されている。英NGOセーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)が8日、警鐘を鳴らした。

 スーダンでは4月15日、軍が主導する統治評議会議長のトップ、アブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)国軍最高司令官と、同副議長で準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」司令官のムハンマド・ハムダン・ダガロ(Mohamed Hamdan Daglo)氏が衝突。

 紛争関連のデータ収集を専門とするACLEDによると、これまでに全国で少なくとも3900人が死亡した。

 首都ハルツームの住民は、今回の戦闘で殺害された人の遺体が路上のあちこちに放置されていると話している。

 セーブ・ザ・チルドレンも、内戦開始から4か月がたち、路上に放置された数千の遺体が腐敗していると指摘。安置所も遺体であふれているという。

 同国では近年、コレラが繰り返し流行していたことから、医師らは内戦で新たにコレラが流行すると懸念している。

「増え続ける遺体と深刻な水不足、機能不全に陥った公衆衛生、下水道の未整備という恐ろしい組み合わせにより、市内でコレラが発生する恐れもある」とセーブ・ザ・チルドレンは述べている。

 また、公衆衛生当局の検査体制が機能しておらず、コレラの流行が起きているかどうかを確認することも難しいという。

 国連(UN)によると、400万人以上が自宅を追われ、600万人以上が飢餓の「一歩手前」にある。(c)AFP