【8月8日 AFP】海のプラスチックごみは、これまで科学者が考えていたよりも少ない可能性があるとの研究結果が7日、英科学誌「ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)」に掲載された。

 研究では、1980~2020年までに記録された海面や浜辺、深海の観測データと数値を基に作られた海の3Dモデルを使用。この結果、海面に浮いているプラチックの95%を25ミリ以上の大きさのものが占めると推定された。

 海中のプラスチック片は小さいものが大半だが、5ミリ以下のマイクロプラスチックは比較的少ないという。

 海面に浮かぶプラごみは、マイクロプラスチックよりも大きいものが多いということは、海中のプラごみの総量はこれまで考えられていたよりも「はるかに少ない」ことを示唆している。

 これまでは、海中のプラごみは2500万トン以上で、うち25万トンが海面に浮かんでいると推定されてきた。しかし今回の論文は、海面に浮かぶプラごみの量はそれを大幅に上回る約300万トンだとしている。

 さらに、毎年海に流入するプラごみの量もこれまで考えられていたよりも400万~1200万トン少ない、約50万トンであることも分かった。プラごみの多くは、沿岸部での活動や漁業から出ているという。

 国連環境計画(UNEP)によると、プラごみによって毎年、海鳥100万羽と海獣10万頭が死んでいる。(c)AFP/Linnea Pedersen