【8月5日 AFP】フランス水泳連盟(FFN)は4日、2024年パリ五輪に向けて5日からセーヌ(Seine)川で予定されていたオープンウオータースイミングのテスト大会について、「水質基準が現時点で許容範囲を下回っている」ことを理由に、1日延期されたことを明らかにした。

 テスト大会は当初、女子10キロが5日にパリ五輪と同じルートで行われる予定だったが、FFNは公衆衛生当局やワールドアクアティクス(World Aquatics、世界水連)などと協議の上で、延期を決定したと説明した。もともと6日に予定されていた男子10キロの日程に変更はなく、女子の後に実施される。

 4日午前の練習は中止されており、主催者は5日の競技前に再び水のサンプルを分析する予定。FFNは、引き続き水質を注意深く監視していくとしている。

 パリではここ3週間、季節外れの大雨が続いており、下水の氾濫による川の汚染が懸念されていた。アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長の事務所によると、「パリ地方はここ20年間で最も激しい夏の降雨に見舞われている」という。

 イダルゴ市長は、1923年以降禁止されていたセーヌ川での遊泳を2025年から3か所で解禁すると明言しており、今回のテスト大会はその小手調べ的な意味合いもある。主催者側は以前から、激しい風や雨を想定してスケジュールを2~3日延期できるよう計画してきた。

 五輪のオープンウオータースイミングは、これまでも汚染問題にたびたび直面している。東京五輪に向けて行われた2019年のテスト大会では、選手がレース後に水質に関して抗議。2016年リオデジャネイロ五輪でも、ブラジルのグアナバラ湾(Guanabara Bay)で泳ぐことが大きな話題となった。(c)AFP/Déborah CLAUDE