【8月4日 AFP】米司法省は3日、南部ミシシッピ州の白人警官6人が、罪のない黒人男性2人を性具やテーザー銃、刃物を使って拷問する事件があったと発表した。被害者の1人は口内を銃で撃たれ、弾が首を貫通したという。

 6人は血を流す男性を放置し、証拠になる物を回収するなどして犯行の隠蔽(いんぺい)を図った。3日に行われた罪状認否で、全員が罪を認めた。

 6人は今年1月24日、不審行為の通報を受け出動。民家のドアを蹴破って突入すると、中にいた被害者2人に対し、正当な理由がないにもかかわらず長時間にわたり暴力を振るった。2人は手錠をかけられ、人種差別的な言葉を浴びせられたという。

 報道発表によると、「被告6人は男性2人に対し殴る蹴るの暴行を加え、テーザー銃を17回使用。液体を無理やり飲ませ、ディルド(男性器を模した性具)でも暴行した」とされる。

 保安官代理だったハンター・エルワード(Hunter Elward)被告(31)は、拳銃の弾倉から1発を取り出し、銃を被害者の口の中に押し込んで引き金を引いた。その後、再度空砲を撃つつもりで引き金を引くと弾丸が発射され、「弾は(被害者の)舌を裂き、顎を砕き、首を貫通した」という。

 検察は記者会見で「被害者は運良く一命を取り留めたとはいえ、6人は床に横たわり血を流す被害者を長時間にわたり放置した。犯行を隠蔽するためのうそを捏造(ねつぞう)するのに忙しかったからだ」と説明した。

 さらに、6人の行為は被害者の心身を傷付けただけでなく、警官への信頼を失墜させ、コミュニティー全体に損害を与えたと指摘。「今回の不適切行為は人種差別と嫌悪に基づいているがゆえに、その傷は一層深まっている」と述べた。

 6人に対する判決は、11月14日に言い渡される予定。(c)AFP