【8月4日 AFP】米司法省は4日、軍事機密を中国に売却した疑いがあるとして、海軍兵士2人を逮捕したと発表した。

 米海軍の艦艇や搭載兵器システムのマニュアル、レーダーシステムの設計図、大規模な軍演習計画などの機密情報を中国政府に漏えいした疑いがもたれている。

 司法省によると、逮捕されたのはカリフォルニア州の海軍基地に所属するジンチャオ・ウェイ(Jinchao Wei)容疑者(22)とウェンヘン・ジャオ(Wenheng Zhao)容疑者(26)。

 ウェイ容疑者は、サンディエゴ(San Diego)海軍基地を母港とする強襲揚陸艦「エセックス(USS Essex)」の乗組員で、艦艇とそのシステムの運用について詳述した数十の文書、写真、動画を引き渡し、見返りとして数千ドルを受け取ったとされる。中には自らが乗艦するエセックスの兵器に関する技術機械マニュアルも含まれていた。

 一方、ベンチュラ(Ventura)郡海軍基地に所属するジャオ容疑者は、2年にわたって中国のために情報収集をしていた。特にインド太平洋地域での大規模な軍事演習に関する時期や場所などの詳細情報を中国の情報員に伝え、約1万5000ドル(約200万円)を受け取ったとされる。

 また沖縄にある米軍基地のレーダーシステムの電気回路図や設計図も渡していたという。

 有罪となった場合、ウェイ容疑者は終身刑、ジャオ容疑者は最高20年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。(c)AFP