【8月4日 CNS】中国のフードデリバリー業界で働く配達員たちの労働条件の改善は、業界の課題だった。7月13日に中国のフードデリバリー大手「餓了麼(Ele.me)」の華東地区で働く職員代表175人が上海市に集まり、職員労働者代表大会を開催した。

 中国では、企業の職員が選挙によって代表を選び、職員代表大会を開催して企業を管理し、監督していく制度がある。今回の代表大会では、企業と職員間の労働協約を審議し、採択された。労働協約は同社1万1000の配達拠点で働く約300万人のデリバリー配達員をカバーすることになった。


 代表大会に出席するために上海を訪れた中華全国総工会の江広平(Jiang Guangping)副委員長は、「餓了麼の第1回職員労働者代表大会が開催されたことは、団体協議メカニズムを改善していくための重要な一歩であり、労働者の権利を保護するための新たな成果でもある」と述べた。

 1年前、上海市労働組合連合会は、上海市商務委員会などと協力して、餓了麼と団体交渉を実施し、報酬や賞罰、技能革新、女性配達員の権利保護を確認していた。今回の代表会議は、その内容を労働協約という法律文書にした上で、企業の労務管理システムに落とし込むことになった。

 具体的には、全体の労働協約のほか、賃金、労働環境、女性労働者の保護という三つの特別労働協約として企業、職員間で署名されている。

 一方、餓了麼の側も、一定条件を満たしたデリバリー配達員の大学学費の全額負担など職員の労働条件の改善に努める方針を明らかにした。気温の高い夏季限定のボーナス支給も約束した。(c)CNS/JCM/AFPBB News