世界で初めて軌道投入に成功した液体酸素・メタンロケット「朱雀2号」
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【8⽉5⽇ Peopleʼs Daily】中国の酒泉衛星発射センターで7月12日、打ち上げられた「朱雀2号遥2」はメタンと液体酸素を推進剤に使ったロケットとして世界で初めて、衛星の地球周回軌道への投入に成功した。
「朱雀2号遥2」は2段式で直径は最大3.35メートル、高さは49.5メートルだ。1段目には天鵲80トン級液体酸素・メタンエンジン4基を使い、2段目には同じエンジン1基と天鵲10トン級制御用液体酸素・メタンエンジン1基を使っている。
どの推進剤を採用するかは、ロケットの能力を決める重要な要素だ。液体燃料ロケットの場合、推進剤には液体酸素とケロシン、液体酸素と液体水素、液体酸素とメタンなどの組み合わせがある。それぞれの組み合わせには長所と短所がある。
液体酸素・メタンの場合、燃焼効率が高く環境に優しく、低コストで製造しやすいなどの特徴がある。ケロシンを使うロケットと同様に燃焼時にエンジン内部に炭素がこびりつくが、洗浄はより容易でエンジンを再使用する場合にはコストを削減できる。
同ロケットを開発した藍箭航天(LandSpace)の張昌武(Zhang Changwu)CEOは、液体酸素とメタンは工業製品として成熟しており入手しやすく安価だと説明した。ロケット打ち上げのコストを下げられる推進剤という。
宇宙事業は難度が高く、リスクが高い。世界に目を向けると、再使用可能な液体酸素・メタンロケットは急速な開発・発展期に入っている。海外では今年上半期だけでも、2機種が衛星打ち上げを試みたが、いずれも失敗した。
朱雀2号の開発も順風満帆ではなかった。昨年末には「朱雀2号遥1」が打ち上げられたがエンジンが異常停止して失敗した。藍箭航天は特別作業部会を設立して故障の原因とメカニズムを究明し、多くの改善措置を講じた。
張CEOは、「今回の打ち上げで、われわれが得たのは1基のロケットだけではありません。民間の宇宙開発力として研究開発、試験、生産、打ち上げの全段階を実施する能力を獲得しました。量産化、商業化の目標に向けてさらに前進し、革新的な独自の価値を創出していきます」と述べた。
中国の商業宇宙利用は約10年の時間を経て、無から有へと急発展した。商業宇宙産業は上流分野のロケット打ち上げ、衛星および地上設備の開発、中流の衛星の運営、下流の衛星の応用など多くの分野をカバーする。
中国の商業宇宙企業は400社を超え、軌道上の商業衛星は350基を超えた。商業宇宙飛行の市場規模は1兆元(約20兆円)を超えた。専門家は「中国の宇宙への打ち上げ回数は大幅に増加している。宇宙の商業利用の市場の需要は大きい。民間宇宙企業は高い技術革新能力、柔軟な運営、明確な市場志向など鮮明な特色を形成しており、中国の宇宙事業に新たな活力を吹き込んでいる」と述べている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News