中国の夏休みに「高速鉄道旅行」が大流行 新たな観光ルート人気に
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【8月2日 CNS】中国の学生が夏休みを迎えると、毎年7月1日から8月31日までが鉄道の夏季輸送シーズンとなる。新型コロナウイルスの「パンデミック(世界的な大流行)」が終わった後も、中国の各種文化・旅行活動の需要は依然として高く、鉄道の夏季輸送は一段と盛り上がっている。
鉄道部門の関係者によると、現在のところ今年の夏季輸送期間は子供の乗客が急増している。また、これに伴い、長距離直通の乗客の流れも増加しており、青海省(Qinghai)、江蘇省(Jiangsu)、北京市、香港などの観光資源豊富な地域への鉄道輸送需要が活況を呈している。
今年の夏季輸送が始まった10日間で、中国の鉄道は延べ約1億3300人の乗客を輸送しており、2019年同期と比較して16%増加となっている。オンライン旅行プラットフォームの同程旅行(LY.COM)の関係者によれば、親子や学生の顧客の全面的な復帰により、夏季に人気の旅行先と目的地の構成も徐々に感染前の状況に回復していくだろうと述べている。同時に、新たな高速鉄道路線や文化・旅行施設に関係する目的地への夏季旅行の人気を押し上げることになるだろう。
旅行の需要が急増する中で、鉄道部門と旅行者たちは「双方向の駆け込み」と言える状況を産み出している。
今年、多くの人気観光地へ直通する高速鉄道が初の夏季輸送に挑戦している。7月には香港とパンダの故郷である成都市(Chengdu)を結ぶ高速鉄道が正式に開通した。約10時間のこの高速鉄道は、楽山市(Leshan)、桂林市(Guilin)、広州市(Guangzhou)などの観光資源が豊富な都市を経由しており、中国南部の住民にとって新たな旅行の候補地となっている。青海省西寧市(Xining)とラサ市(Lhasa)を結ぶ青蔵鉄道も正式に高速列車時代に入り、「復興号」高速列車が青蔵高原を走り始めた。これからは高速列車に乗って青蔵高原の奥地にあるゴルムド(Golmud)まで入りこむことができるようになる。
親戚・友人同士の鉄道旅行に加えて、中小学生向けのさまざまな夏季の鉄道探究学習旅行も今年は非常に人気がある。
最近、北京市、敦煌市(Dunhuang)、井岡山市(Jinggangshan)などの歴史的な名所やレッドツーリズム地域が鉄道探究学習旅行のホットスポットとなっている。
アナリストは、中国の高速鉄道や高速列車のネットワークがますます密になっていることから、鉄道部門が提供するサービスと個別のカスタマイズのいっそうの専門化が進み、「高速鉄道に乗る」ことと「高速鉄道で旅行する」ことが人びとの旅行の重要な選択になっていると指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News