知的財産権が中国・長江デルタの質の高い発展の原動力に
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【7⽉28⽇ Peopleʼs Daily】中国の長江デルタ地区では、知的財産権(知財権)関連の各要素の円滑な機能が、地域の質の高い発展を後押ししている。
長江デルタ地域では知財権優位モデル企業が1800社余り育成され、地域の産業の競争力を向上させている、集積回路、バイオ医薬、人工知能等の重点分野を中心に、七つの産業知財権運営センターや24の国家級特許案内サービス基地が建設された。特許権を担保にした融資は2022年には前年比72.6%増で、中国全国の5割近くの1862億6000万元(約3兆6771億円)だった。
国家知財権局の梁心新(Liang Xinxin)報道官は、「仕組みの整備、流通の円滑化、発展の促進、保護の強化、サービスの最適化、改革と革新等の面から、知財権によって長江デルタの一体化された質の高い発展を支援しています」と説明した。
上海市は2022年5月、全国に先駆けて特許オープンライセンス制度の試験運用を始めた。上海市知財局の芮文彪(Rui Wenbiao)局長によると、同市では50の企業や組織が240件の特許のオープンライセンスを表明しており、うち85件は無料での権利開放だ。また、清華大学(Tsinghua University)などの他の省や市にある組織からの特許オープンライセンス声明を610件取り付けた。
特許のオープンライセンス化は、長江デルタ地域における一連の知的財産権制度の革新の縮図だ。安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)では今年4月、長江デルタ地域初の知財権を証券化した金融商品が発売され、その規模は1億2350万元(約24億円)に達した。浙江省(Zhejiang)は「データの権利帰属が不明瞭、イノベーションの利用が不十分、権益保護の立証が困難」などの問題の解決に焦点を絞って全国初のデータ知財権公共証拠保全プラットフォームを開設した。
外国企業の中国における知財権件数も増加し続けている。ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)の中国法人である上海勃林格殷格翰薬業の関係者は「われわれは中国政府が、知的財産権の保護や公平な競争が行われる市場秩序を極めて重視していることを感じる」と述べた。
上海市は3年連続で外資企業知的財産権保護特別行動を展開しており、外資企業に関連する特許権侵害紛争を累計60件余り処理した。上海市は江蘇省(Jiangsu)、浙江省、安徽省の知財権部門と共に外資企業対話交流会を定期的に開催し、外資企業側の求めを理解し、同時に知財権関連の法規や政策、行政サービスについて伝達している。
国家知財権局の梁報道官は、「高い水準の対外開放を積極的に支援するため、国家知財権局は率先して蘇州(Suzhou)ハイテク区、南京市(Nanjing)江寧区などの知財権サービス業が集中する地区で、外国特許代理機構の中国における常駐代表機構設立の試行などに取り組み、知財権の国際サービスの拠点の構築を支援している」と説明した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News