【7月29日 東方新報】中国では急激な経済成長に伴い、若者の肥満率も高まっている。合宿形式で短期間に体重を減らす「減量キャンプ」が増加しているが、問題も指摘されている。

 6月には、減量キャンプに参加した21歳の女性インフルエンサーが死亡したことが明らかになり、大きな注目を集めた。

 ネット上で「翠花(Cuihua)」を名乗る女性は身長160センチで体重156キロという「おデブキャラ」のインフルエンサーで、契約により減量キャンプに参加。昨年9月から「体重を100キロに落とす」として、海外ではティックトック(TikTok)として知られるSNS「抖音(Douyin)」に動画の投稿を続けた。陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)などの減量キャンプにたびたび参加。エアロバイクやウエートリフティング、バトルロープなど一日中運動し、食事も管理され、8か月で117キロまで体重を落とした。

 翠花さんはキャンプ参加費無料でお金も受け取りつつ、キャンプの宣伝用にトレーニングの様子を配信。フォロワー数は9000人を超えていた。しかし5月25日、キャンプ参加後に体調が悪くなり、2日後の朝に亡くなっていた。

 減量キャンプと死因の関係は不明で、キャンプの運営者と遺族の間で和解が成立されたが、ネット上では「キャンプ側はしっかり健康管理していたのか?」「もっとゆっくり減量すべきだった」などの書き込みが相次いだ。

 減量キャンプ参加者が死亡したニュースはこれが初めてではない。2019年には湖北省(Hubei)のキャンプに参加していた体重74キロの22歳女性が急性脳梗塞を発症して死亡。2021年には黒竜江省(Heilongjiang)で、90キロの20歳女性が減量キャンプで死亡している。

 各地にある減量キャンプはネット上で参加者を募集しているが、「2か月で35キロのダイエットができる!」「3か月で46キロの減量に成功!」といった極端な宣伝が目につく。また、一部の減量キャンプでは、参加者の減量ペースと指導者の収入が連動している。例えば、参加者が1か月以内に体重を10%減らすとコーチに200元(約3942円)のボーナスが出て、逆に10%に達しないと給料から200元が差し引かれる仕組みだという。

 西安体育学院(Xi’an Physical Education University)運動・健康科学学院の苟波(Gou Bo)教授は、「減量はせいぜい1週間に500グラムから1キロ以内が合理的な範囲。飲食を制限された環境で急激にやせても、日常生活に戻れば運動量も減るので、体重は増えてしまう。それでキャンプにまた通い、太ったりやせたりを繰り返してしまう」と指摘し、減量キャンプの方式に疑問を呈する。

 SNSでは最近、減量キャンプの検索をすると「内容をしっかり確認し、虚偽の宣伝に注意してください」と表示が出るようになった。中国メディアは「短期間で大幅にやせると宣伝する瘋狂(クレイジー)式ダイエットを見直すべきだ」と警鐘を鳴らしている。(c)東方新報/AFPBB News