「幸せな食卓」7月の2回目のプログラム(c)news1
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【07月24日 KOREA WAVE】「京東(キョンドン)市場は広すぎて、見て回る気になりませんよね?どれがいいのかも分からないし。この市場にだけ売っている珍しいものがありますが、今は柔らかいトウモロコシを安く売っています。ブルーベリーもおいしいし……」

梅雨の雨がしとしと降っていた今月14日午後、ソウル市東大門区(トンデムング)のソウル韓方振興センター3階の薬膳料理体験館に「幸せな食卓」受講生が集まった。授業前、席を確保した熱心な受講生3、4人が、調理技能長のキム・ボギョン講師の張りのある声に耳を傾け、会話を交わした。

◇市場で学ぶ安い食材の選び方

ソウル市は4~11月、40~64歳の中高年1人世帯を対象に、旬の食材・健康食材と家庭料理の作り方を教える「幸せな食卓」を運営している。参加自治区は昨年10区から今年、東大門区を含む計15区にまで拡大した。

7月の2回目のプログラムがあったこの日、料理実習に先立って講師と受講生が近隣の京東市場探訪に出かけることにした。店舗数だけで700余りある広い京東市場で、どの店に行けば食材を安く買えるかを学ぶ時間だった。

「今、出ている露地キュウリがとってもおいしいです」

講師から紹介された店の商号を、受講生らが各々、携帯電話カメラに収めた。塩辛くなくおいしい塩辛を売っている店ではイカからホタテ、明太子、ニシン、貝、サッパまで多種多様な塩辛を慎重に選んだ。

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◇講師のフライパンに釘付け

料理は約30分間の市場探訪を終えてから本格的に始まった。

この日の料理は夏の食欲をそそるトマト保養食とサムギョプサルだった。トマトを切る見事な講師の包丁さばきに教室は静まりかえり、受講生たちの目が講師の手元に集中した。

授業前に配ったレシピはすぐにメモでいっぱいになった。説明の合間には質問も続くなど、授業の熱い熱気が伝わってきた。

10分余り続いた講師のデモンストレーションが終わり、受講生たちは自分で料理を作るために材料と道具を持ってテーブルに向かった。ぐつぐつ煮立ったお湯に入れて出てきたトマトの皮が切れ目に沿って柔らかく剥がれると「よく剥ける!」と小さな嘆声が起こった。

トマトにデコレーション用の新芽野菜を詰めようとしてトマトをつぶしてしまったテーブルでは「あら、どうしよう!」と大きな笑いが起こった。「潰してはいけません!」という講師の言葉に他のテーブルにも笑いが広がった。まもなくおいしそうなトマト保養食3皿が完成した。

出来上がった食べ物を目で楽しむ暇もなく始まった2番目の料理は、サムギョプサルだった。醤油と梅エキス、そしてフライパンで炭火バーベキューの味を出す。外はカリカリ、中はトロトロだ。

「ソースはたくさん付けてはいけません。しょっぱくなりますよ」。講師が火を調節してタレを塗った肉をひっくり返す間、調理台に集まった受講生たちはフライパンから目を離さなかった。

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◇高い満足度

昨年、ソウル市の10の自治区で、当初の目標人員の126%に達する1389人が参加して実施された「幸せな食卓」。満足度は92.2%と高かった。プログラムに対する満足度は95.6%、講師に対する満足度が97.1%、進行過程・施設など全般的な満足度は86.6%だった。

この日、プログラムに参加したパク・カヨンさん(女・45)も「一人暮らしは自分のための料理をあまりしなくなるが、手軽で健康に良い調理法を教えてくれるので、自分の食事にもっと気を使わなければならないと思った」と満足げだった。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News