【7⽉23⽇ Peopleʼs Daily】中国では次世代情報技術の急速な発展に伴いコネクテッドカー(ICV)および関連産業が急速に発展している。

 ICVとは車載機器をネットワークに接続し、すべての車両の動態情報を収集・分析して、車両の運行に「異次元の機能とサービス」を提供するものだ。主たる内容は運転支援、自動運転、スマート交通システムなどだ。

 無人宅配配送車、道路清掃ロボット、自動運転観光バス――。中国では自動運転の応用範囲が拡大中だ。人びとにとって生活がより便利になっただけでなく、道路の使用効率も向上した。江蘇省(Jiangsu)太倉(Taicang)港第4期埠頭(ふとう)では、整然と並べられたコンテナが自動的に車両に搭載されて運ばれる。閉じられた区域内における自動運転ICV技術の応用だ。

 江蘇省無錫市(Wuxi)に設立された国家スマート交通総合テスト基地は、警察による交通管理データを利用して違反行為のあった車両の処理、道路工事などでの注意喚起、自動車側からの安全警報、救急車やバスの走行を優先する信号システムなどを実現した。江蘇省蘇州市(Suzhou)の蘇州高鉄新城では、高速鉄道の駅を出るとそのまま自動運転バスに乗車したり、携帯電話で無人タクシーを予約することができる。

 中国では2022年に、自動運転補助システムを搭載したICVの新車販売台数が前年比45.6%増の700万台に達した。中国情報通信研究院(CAICT)が発表した「ICV白書」によると、中国のスマートカー市場の規模は2025年までに約1兆元(約19兆円)に達する見通しだ。

 中国工業情報化部が4月に3都市での国家級ICV先導区の設立を認めたことで、中国では全国7都市で国家級ICV先導区が建設されることになった。例えば無錫ICV先導区では、ICVが道路側のシステムと連携することで、路面の水たまりや凍結などについて車両に警報を出し、道路交通全体の安全性を高めている。

 天津(Tianjin)(西青)国家級ICV先導区は、天津市の川上から川下にいたるまでの豊富な自動車産業チェーンの強みを十分に生かして、ICV産業発展サービス体系、ICV商業応用モデルを模索し、研究開発・テスト・産業化を一体化した世界一流のICV産業発展先導区を構築した。

 自動車関連のデジタル技術を手掛ける中汽数据(CATARC)の馮屹(Feng Yi)社長は、「ICV先導区の一層の拡大は、中国がICVおよびICV産業の配置や発展を加速するシグナルです。ICVは新興産業形態であり、自動車産業の質の高い発展を推進する重要なけん引力なのです」と述べた。

 工業情報化部の辛国斌(Xin Guobin)副部長によると、現在までに計1万5000キロの道路でのICVの走行試験が認められており、自動運転タクシー、無人バス、駐車代行、物流など多くの応用が展開されている。国家級ICV先導区などでは、道路7000キロ分について設置されたセンサーなどがネットと情報をやりとりするスマート化が完了したという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News