【7月21日 東方新報】中国西部のチベット自治区(Tibet Autonomous Region)は国内外で人気の観光地。「チベット観光はラサ市(Lhasa)から始まる」と言われるように、富士山頂と同程度の標高に位置する自治区の区都・ラサ市は観光客の人気が最も高い。チベット仏教の聖地・ポタラ宮やチベット伝統建築のジョカン寺(大昭寺)、ラサ中心街のバルコルストリート(八廓街)など見どころがいっぱいだ。

 もちろん、チベットの魅力はラサだけではない。人口65万人で自治区第二の都市・シガツェ市(Shigatse)も観光に力を入れている。ネパール、ブータン、インドと国境を接する標高3850メートルの街はヒマラヤ山脈北嶺に位置し、世界最高峰のチョモランマ(Qomolangma、エベレストのチベット名)の観光拠点でもある。「エベレストのふるさと」と言われるゆえんだ。

 シガツェの住民は9割以上がチベット族。チベット仏教ゲルク派の最大寺院・タシルンポ寺(Tashi Lhunpo Monastery)など数多くの寺院がある。また、5000メートル級の峠で壮大なカロ・ラ氷河を観光できる。寒さと酸素の薄さで身動きが難しくなる人もおり、迫力に満ち満ちた自然の存在感に圧倒される。

 天空の別世界・チベットも新型コロナウイルスの流行期は影響を受け、シガツェでも行動制限を受ける時期があった。コロナ禍がようやく落ち着き、地元ではさまざまな観光・文化イベントが行われるようになった。

 6月18日には、3年ぶりとなる「第18回チョモランマ文化観光祭」を開催。300機のドローンを使った空中パフォーマンスが行われ、民族衣装に身を包んだ400人が音楽や舞踊、演劇を披露。3000人の観衆を喜ばせた。

 5月18日には、上海の浦東国際空港(Shanghai Pudong International Airport)からシガツェ空港へ初めてのチャーター便が旅立った。この日は「国際博物館デー」で、それに合わせてチベット・シガツェ博物館がオープン。チベットの石器や土器、仏像、古書など約3200点の文化財を所蔵している。

 シガツェ市党委書記のスラン・ニマ氏は「私たちは観光・レジャーから投資・事業開発まで、世界中からのお客様を歓迎します」と呼びかける。ラサだけでは味わえないチベットの魅力をアピールしている。(c)東方新報/AFPBB News