【東方新報 7月20日】中国・長江(揚子江、Yangtze River)の中流域南岸に接する江西省(Jiangxi)は、農業大国で特産品も豊富だ。江西省東北部に位置する上饒市(Shangrao)は中国の「八大ゆず」の一つと言われる馬家柚(Majiayou)の主要産地で、同市の広豊区の作付面積は約19万ムー(約1万2666ヘクタール)、総生産額は20億元(約386億円)を超す。

 今はまさに馬家柚の実が膨らむ時期で、同区の西壇村にある蛇頭山(Shetou Mountain)から四方を見渡すと、馬家柚の葉が青々と茂り、たくさんの実が枝を飾っている。馬家柚の果樹園は連綿と連なる丘陵に沿って青空の際まで広がっている。

 7000ムー(約466ヘクタール)に及ぶ西壇村の果樹園は、見た目は普通の果樹園だが、実は1億5000万元(約29億円)を投入した試験的な標準化改造が施され、栽培にはスマート管理が導入されている。馬家柚科技研究センターの呉方方(Wu Fangfang)主任の紹介によると、果樹園には水と肥料を統合したスマート灌漑(かんがい)システムやIoTモニタリング設備などが装備されているという。

「一張図(ワンマップ)」と称される作付け規模、品種数、栽培環境などを統合した可視化モニタリングシステムにより、馬家柚産業のビッグデータベースが整備され、馬家柚栽培のための過去データの蓄積や模擬分析の基盤となるプラットフォームが構築され、単なる「柚子栽培」から「スマート柚子栽培」への構造転換が実現した。

 2004年生まれの農民、姚献文(Yao Xianwen)さんは広豊区で最も若いドローン栽培管理員だ。彼は区全体のドローン栽培管理の責任者で、年間累計の作業面積は5万ムー(約3333ヘクタール)にも及ぶ。姚さんは「私は現地の農民ですが、『新農民』でもあります。馬家柚の伝統的な栽培法から『科学技術の革新的規範化栽培法』への転換を目の当たりにしています」と語る。

 姚さんによると、収穫の季節にはドローンを使って1時間で3000キロ以上の馬家柚をふもとまで運搬できるが、もし人手でやれば8人がかりでも1時間にわずか数百斤(1斤=約0.5キロ)しか運べないという。

 広豊区馬家柚産業協会の周海誾(Zhou Haiyin)会長は「デジタル化管理は、馬家柚産業の発展に資するだけでなく、『新農民』になりたいZ世代の若者をどんどん増やす効果を上げている」と強調する。

 広豊農村振興モデル園では、整然と環状に配置された一連の「スマートデジタル選別ライン」が、収穫期の馬家柚の到着を静かに待っている光景が見られた。

 以前は広豊区の馬家柚は95%が商品化処理をせずにそのまま市場に出荷され、品質グレードも混在状態で、商品価値に悪影響が出ていた。江西果福農業科技有限公司の徐海峰(Xu Haifeng)総経理は、「この問題に対し現地では三つのデジタル化スマート貯蔵物流ラインによる品質等級選別販売メカニズムを構築した」と説明する。

 現地の話では、今年の広豊区のスマート選別の数量規模は累計1500斤で、馬家柚総生産量の25%を占める。またデジタルスマート貯蔵量は200万斤以上に達し、従来の5倍に増加。供給周期の延長に効果をあげているという。

 さらにグレード選別販売は農民にも利益をもたらし、今年の馬家柚栽培農家の収入が20%以上増加している。

「作付け、栽培、供給、販売」の全工程を連携させたデジタル化経営と管理が、果実農家5万人の増収を実現させた。現在、馬家柚の販売チャネルは大型スーパーマーケット、電子商取引プラットフォーム、フルーツショップなどを網羅し、ドバイ、イタリア、マレーシア、シンガポール、タイなどへの輸出も実現している。(c)東方新報/AFPBB News