【7月16日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2023)は16日、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)による男子シングルス決勝が行われる。大会に新たな歴史が刻まれ、世代交代の可能性もある一戦について、ジョコビッチは「スポーツ界」全体が注目する試合だと話している。

 ジョコビッチはロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と並ぶ男子最多8度目の大会制覇と、マーガレット・コート(Margaret Court)氏と並ぶ四大大会(グランドスラム)歴代最多の24勝目を狙う。また、今季すでに全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)と全仏オープン(French Open 2023)を制しており、優勝すれば男子では1969年以来となる年間グランドスラムへ、残すは全米オープン(US Open Tennis Championships 2023)のみとなる。

 最多35回目のグランドスラム決勝に臨むジョコビッチは、「究極の大一番だ」と話し、「すべてがこの1試合に帰結する。テニス界、スポーツ界のすべての目が、日曜のウィンブルドン決勝に注がれる。おそらく世界で最も見られるテニスの試合だろう」と続けた。

 対するアルカラスは20歳とジョコビッチよりも16歳若く、ジョコビッチが全豪オープンでグランドスラム初優勝を飾った2008年は、まだ5歳にもなっていなかった。決勝ではジョコビッチが優勝すれば最年長のチャンピオンに、アルカラスが勝てばボリス・ベッカー(Boris Becker)、ビョルン・ボルグ(Bjorn Borg)に次ぐオープン化後では史上3番目に若い王者となる。

 両者は6月の全仏オープン準決勝でも対戦し、そのときはジョコビッチが心理戦に勝利した。アルカラスは本人も認めている通り、ジョコビッチと相対しているプレッシャーが肉体的な負担となって積み重なり、後半は体がけいれんして敗れた。

 そのときの記憶がまだ鮮明に残っているアルカラスは、「ノバクと決勝を戦うということは忘れようとしている」と話し、考え方を工夫して決勝の緊張に打ち勝とうとしていることを明かした。

 アルカラスは今回がまだグラス(芝)コート4大会目で、ウィンブルドン決勝は初となる。1966年のマニュエル・サンタナ(Manuel Santana)、2006年と2008年のラファエル・ナダル(Rafael Nadal)以来、3人目のスペイン人王者を目指すアルカラスは、「僕の人生で最高の瞬間になるだろう」と話した。

「ウィンブルドン決勝でのプレーは、テニスを始めたときに夢見ていたことだ。相手がノバクなのだから、なおさら素晴らしい。僕にとっては本当に特別な瞬間になる。ノバクにとってはいつもと同じ次の一日、次の瞬間かもしれないけど」 (c)AFP/Dave JAMES