【7月14日 AFP】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は13日、2030年までに公衆衛生上の脅威としての「エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)を終結できる」と主張した。ただ、世界の指導者が機会を逸しなければだと警告した。

 UNAIDSのウィニー・バイアンイマ(Winnie Byanyima)事務局長は、「われわれは依然としてエイズ終結の軌道にはいない」としながらも、政治・経済的選択により「軌道に乗せることはできる」と述べた。

 アフリカなど大規模支援が行われている国では、HIV感染対策が大きな効果を見せているという。

 サラハ(Saharan)以南のアフリカには世界のHIV陽性者の65%が暮らしている。

 UNAIDSは報告書で、20年前は毎年250万人がHIVに感染し、200万人がエイズで死亡しており、流行は止められないように見えたと指摘。しかし、22年の新規感染者数は約130万人で、ピークだった1995年から59%減った。

 一方、エイズ関連疾患での死者数は63万人とピークの2004年から69%減となった。

 UNAIDSによると、2022年の世界のHIV陽性者数は3900万人。うち2980万人はエイズ発症を予防する抗レトロウイルス療法を受けている。残りの受けていない人のうち、66万人は子どもだという。(c)AFP/Robin MILLARD