100年燃え続ける「地獄」の炭鉱 行き場なく残る住民 印
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【9月17日 AFP】インド東部ジャルカンド(Jharkhand)州の大規模炭田。約100年間、燃え続ける炭鉱で、命を危険にさらしながら10万人が違法採掘に従事している。
その一人、サビトリ・マハトさん(22)は「火災によってこの地は黒焦げになった」「毎日、恐怖の中、暮らしている」と話す。マハトさんはくすぶり続ける炎の中、広大な露天掘り炭鉱の隅で石炭を掘って生計を立てている。
この炭鉱では、1916年の事故が原因とみられる地下火災により地面が陥没。人や家がのみ込まれた。違法採掘者や環境活動家は、過去数十年で数百人が命を落としたと指摘する。
マハトさんはAFPの取材に対し「昔から事故はあった。地盤沈下が続き、事故は今も続いている」と石炭を掘りながら答えた。
マハトさんの夢は看護師になることだ。「ここで暮らすのは危険だ。いつ家が崩壊してもおかしくない」と言う。
インド国内の石炭消費量は過去10年間で倍増。電力の70%近くが石炭火力発電で賄われている。
インドの温室効果ガス排出量の半分は石炭燃焼によるもので、石炭燃焼量は中国に次いで世界2位となっている。
約300平方キロの広さの炭田のあちこちで火災が起きている。専門家は二酸化炭素(CO2)を排出する石炭数百万トンが燃えていると指摘する。
■「石炭は命綱」
マハトさんは、すすで黒ずんだ顔をスカーフで覆いながら「ここの空気はひどく汚染されている」と話した。有毒ガスに常にさらされているため、目が痛み、息苦しさを感じるという。
炭鉱での労働は過酷だが、国内の石炭需要は飽くことがない。
地元労働組合の代表を務めるA・K・ジャー(A. K. Jha)氏は「石炭はジャルカンド州の命綱だ」「石炭に終わりはない」と述べた。石炭の大半は鉄鋼産業で消費されており、現在の生産量であと200年は持つという。
温室効果ガス排出量で中国と米国に次いで世界3位のインドでは、中間層の拡大を背景に、電力を大量に消費するエアコンや冷蔵庫の売り上げが伸びており、電力需要も増加している。