【7月13日 AFP】イタリア当局は12日、ナポリ(Naples)の屋外に設置されていた著名アーティスト、ミケランジェロ・ピストレット(Michelangelo Pistoletto)氏(90)による作品が焼失したと明らかにした。放火が疑われるという。

「ぼろぎれのヴィーナス(Venus of the Rags)」は、ローマ神話の愛と美の女神ヴィーナスが、色とりどりのぼろ布のそばに立っているインスタレーションで、ピスレット氏の代表作の一つ。ナポリ市庁舎の近くに設置されていた。

 ガエターノ・マンフレディ(Gaetano Manfredi)市長によると、火災は12日未明に発生。「あまりの暴力的な行為に言葉も出ない」と述べるとともに、作品を再建すると約束した。

 ピスレット氏も破壊行為に憤りを感じ傷ついてもいるが、火災は「新たなスタートのチャンス」だと解釈してほしいと言っているという。

 日刊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は、近くの監視カメラの映像からホームレスの男(32)が放火と芸術作品の破壊の容疑で拘束されたと伝えた。

 ピストレット氏は、芸術運動「アルテポーべラ(貧しい芸術)」の中心人物で、作品は英ロンドン、米ニューヨークや仏パリなど各地で展示されている。(c)AFP