【7月12日 AFP】リトアニアの首都ビリニュスで11日開幕した北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は共同声明で、ウクライナの加盟問題をめぐり「条件が整えば加盟を招請する」としつつ、時期については明示しなかった。加盟各国は一段の軍事支援を表明しているが、ウクライナ側には失望感が残る形となった。

 首脳会議では、ウクライナの加盟手続きについて、通常よりも簡略化することで合意した。

 しかし、共同声明案を受け取ったウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、招待に向けての行程表が示されないのは「ばかげている」とし、落胆を隠さなかった。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領も首脳会議に先立ち、ロシアと戦争状態にある限りウクライナのNATO加盟をめぐる合意はないとの考えを示していた。バイデン氏は12日、ゼレンスキー氏と会談する予定。

 一方、ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は、先進7か国(G7)として、ロシアの侵攻終了後のウクライナへの長期的な支援を盛り込んだ共同宣言を取りまとめる予定だと述べた。同日のNATO首脳会議閉幕後、発表される見込み。

 短期的支援としては、ドイツはウクライナに対し迎撃ミサイルシステム「パトリオット(Patriot)」を含む7億ユーロ(約1080億円)の支援を表明済み。フランスも長距離巡航ミサイルの供与を新たに表明するなど、西側各国は軍事支援を継続している。(c)AFP