米ツアー幹部が辞任、LIVとの統合に「重大な懸念」 報道
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【7月10日 AFP】男子ゴルフ米国ツアー(US PGA Tour)の方針委員会のランドール・スティーブンソン(Randall Stephenson)氏が、サウジアラビアが後援するLIVゴルフリーグ(LIV Golf League)との事業統合に対する「重大な懸念」を理由に、同委員会を辞任したと9日付の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が報じた。
同紙は8日に即時有効となった辞任届のコピーを入手したと伝えた。それによると、米通信大手AT&Tの元最高経営責任者(CEO)で、2012年に委員会入りしたスティーブンソン氏は、LIVとの事業統合の枠組みは「特に2018年のジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏殺害に関する米国の報告に照らして考えた場合、客観的に評価できるものでも、良心的に支持できるものでもない」と述べた。
ワシントン・ポストに記事も寄稿していたジャーナリストのカショギ氏の殺害については、サウジアラビアの工作員の関与が疑われている。それ以外にも、約1年前に始まり、過去最高の賞金を設定して米ツアーの有力選手を引き抜いたLIVゴルフリーグでは、さまざまな人権問題が批判を集めている。
スティーブンソン氏は6月には辞任するつもりだったが、PGAのジェイ・モナハン(Jay Monahan)コミッショナーが健康状態を理由に業務から離れたことで、今月にずれ込んだという。ツアーはモナハン氏が17日から職務に復帰すると発表。その前の11日には、米ツアーとLIVとの統合に関する米議会の公聴会に出席する予定となっている。
方針委員会は、メジャー4勝のロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)、米国の有力選手パトリック・キャントレー(Patrick Cantlay)ら選手5人を含む10人で構成され、統合が成立するには委員会の承認を得る必要がある。(c)AFP