【7月10日 AFP】イランサッカー連盟(FFIRI)のメフディ・タジ(Mehdi Taj)会長は9日、新シーズンから女性の試合観戦が許可されると発表した。

 同国では長期間にわたり、ごくまれな場合を除いて女性のサッカー観戦が禁じられていた。

 タジ会長は、この日行われた新シーズンの抽選会の生放送中に「今年のリーグ戦の大きな特徴の一つは、スタジアムに女性が入場できるようになること」と述べ、首都テヘランを除くイスファハン(Isfahan)、ケルマン(Kerman)、アフワズ(Ahvaz)のスタジアムなどで女性を受け入れる「準備が整った」と続けた。全16クラブで争われるリーグ戦は、8月に開幕を迎える。

 1979年のイラン革命以降、観戦を禁止する法律はないにもかかわらず、女性はサッカーやその他のスポーツ競技場への出入りをほぼ禁止されてきた。

 イラン国内の意思決定に大きな役割を果たしているイスラム教の聖職者たちは、男性を連想させる勇ましい雰囲気や、半裸の男性選手から女性を保護しなければならないと主張してきた。また、競技施設のインフラ不足を指摘する関係者もいる。

 昨年8月には、エステグラル・テヘランFC(Esteghlal Tehran FC)対メス・ケルマンFC(Mes Kerman FC)のリーグ戦で、数年ぶりに女性の観戦が許可されていた。また同1月に行われたW杯カタール大会(2022 World Cup)アジア最終予選のイラク戦でも、女性のスタジアム観戦が約2年ぶりに認められていた。

 イランでは、2019年に女性サッカーファンのサハル・ホダヤリ(Sahar Khodayari)さんが、男装して観戦しようとした後、投獄を恐れて焼身自殺をしており、その死後に女性のスタジアム観戦を認めるよう求める声が高まっていた。(c)AFP