【7月12日 Xinhua News】中国の伝統的なチベット演劇「蔵戯」は語り、芝居、歌舞、文学を一体化した総合芸術で、600年余りの歴史を持つ。チベット文化の「生きた化石」と呼ばれ、2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の無形文化遺産に登録された。

 チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ラサ市(Lhasa)堆竜徳慶(トゥールン・デチェン)区馬鎮設興村に住む旦巴平措(ダンバプンツォク)さん(13)は、100年前に設立された設興蔵戯隊(劇団)に所属している。成績優秀なダンバプンツォクさんは、学習課題が増えるにつれて蔵戯の練習時間がとれなくなり、ここ数年は夏休みと冬休みに集中的に練習をしている。「休みの時は毎日、劇団で6時間練習し、家に帰ってから1人で練習を続ける日もある。将来は劇団を結成して、蔵戯をもっと多くの人に知ってもらい、好きになってもらいたい」とダンバプンツォクさんは言い、「蔵戯は中華民族の優れた伝統文化であり、自分には蔵戯を伝えていく責任がある」と強い思いを語った。

 ダンバプンツォクさんと同じように、蔵戯を愛するもう1人の少年がいる。旦真羅布(ダンジンノルブ)さん(15)は4年前、少年蔵戯劇団の「璞道少年蔵戯団」を結成した。璞道とはチベット語の音訳で「夢」という意味がある。ダンジンノルブさんは「周りの友達はみなポップカルチャーの方が好きだけど、僕は蔵戯を愛する同世代の人たちのためにプラットフォームを作りたい」と話す。

 ダンジンノルブさんの劇団は4年余りを経て、24人のメンバーを抱えるようになった。最年少は12歳で最年長は大学生だという。この最も若い蔵戯劇団は社会にも認められ、舞台やカメラの前に登場する機会も増え、優れた蔵戯文化の活力をより多くの人々に伝えている。(c)Xinhua News/AFPBB News