【7月8日 AFP】サッカーブラジル代表の次期指揮官にカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)氏が就任することについて、同国のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は、イタリア代表チームの問題を改善したほうが良いと話して批判的な考えを示した。

 指揮官では歴代最多となる通算4度の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を誇るアンチェロッティ氏は、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)との契約が満了を迎える来年6月に、米国で開催される2024年のコパ・アメリカ(2024 Copa America)からブラジルの代表監督に就任する。

 ルラ・ダシルバ大統領は、6日に地元テレビ局SBTのインタビューで「アンチェロッティ氏には敬意を抱いているが、彼はイタリア代表を率いたことがない」と話し、「なぜ彼は、2022年のW杯(2022 World Cup)に出場できなかったイタリアの問題を解決しない?」と疑問を投げ掛けた。

 ブラジル代表は2026年W杯(2026 World Cup)の予選に向けて、現在カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のフルミネンセ(Fluminense)を率いるフェルナンド・ジニス(Fernando Diniz)監督が暫定指揮官を務めることになっている。

「ジニスのファンだ」というルラ・ダシルバ大統領は、「彼には個性と創造性があり、ロッカールームを統率するのは彼だ」と主張した。

 ブラジルサッカー連盟(CBF)は、アンチェロッティ氏が欧州サッカー史上最も成功した監督の一人で、W杯ではブラジルに2002年日韓大会以来となる通算6度目の優勝をもたらすことができると確信し、次期監督に選んだ。

「国際レベルの選手11人がプレーしている欧州のクラブを指揮するのは非常にたやすい」と話すルラ・ダシルバ大統領は、「難しいのはここ(ブラジル)に来て、(現在1部からの降格危機にいる)コリンチャンス(Corinthians)を指揮することだ」とし、「アンチェロッティ氏がコリンチャンスで良い仕事をするか見てみたい」と述べた。

 大統領はまた、誰が監督になろうとも、ブラジル代表の現布陣ではW杯予選を戦うのは厳しいだろうとの見解を示し、「問題はジニスではない。これまでのようなレベルの選手が現在のチームにはいないことだ」と語った。

 外国人指揮官がブラジル代表を率いるのは、1965年に1試合だけ指揮を執ったアルゼンチン人のフィルポ・ヌニェス(Filpo Nunez)氏以来、アンチェロッティ氏が4人目となる。(c)AFP