K-カルチャーブーム、だからこそ訪韓外国人のニーズを把握せよ [韓国記者コラム]
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【07月07日 KOREA WAVE】6月24日午前、東京を代表する富裕層の街「東京ポートシティ竹芝 ポートホール」前は、大勢の10~20代の日本女性でにぎわった。この日午後に開かれたソウル観光プロモーションイベント「2023ソウルエディションイン東京」で公開されるK-POP公演に入場するための人出だった。当選者に選ばれなかったK-POPファンが、そこに入るチャンスをつかもうと、長蛇の列を成したのだ。ソウル市関係者は「一部は前日夕方から入り口前で待機していた」と明かした。
約700人に達した日本人観客たちは韓国の歌手BoAの「NO.1」▽ガールズ・グループ「KARA」の「ミスター」▽男性アイドルグループ「EXO(エクソ)」の「Growl」▽ガールズグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」の「Hype Boy」まで、1~4世代のK-POPアイドルの歌に合わせて踊り、歓声を上げた。これに続く6人組ボーイズグループBTOB(ビートゥービー)の公演が始まると、客席は瞬く間に歓声と熱狂で熱く盛り上がった。
K-POPだけではない。同27日、銀座のロッテ免税店で開かれたソウルファッションウィークブランド専用館開館イベントにも、20人余りの日本人インフルエンサーが集まった。K-ファッションの独創性を見て、日本でK-ファッションに対する関心が高まった、と現地業界関係者は見ている。
韓国企業の日本マーケティングを代行する会社に勤める女性(25)も「韓流は、歌やドラマなどの流行ではなく、一つの文化として定着した」とみる。
新型コロナウイルスの流行で韓国に行けなかった残念さを癒すため、日本では韓国に来たかのように遊んで料理を食べる「渡韓遊び」も流行している。
◇インフラ整備へ大胆な措置を
このように、全方位でK-カルチャーが関心を集め、観光産業にもチャンスになっている。
「ソウル観光客3000万時代」を公約したオ・セフン(呉世勲)ソウル市長は早くも「観光総力戦はこれからが始まり」と打ち上げる。「観光が国内総生産(GDP)で占める割合は、世界平均が10%を超えるのに韓国は3%にも満たない」「ソウルはまだ先が遠い」とも指摘し、政策づくりを加速させる意志を表わした。
韓国政府も観光産業の振興に力を入れている。K-POP・K-コンテンツと連携した観光商品を開発し、豊かなストーリーテリングを活用してソウル以外の地域観光を多彩に披露する策を進めている。
このプロセスで、韓国を訪れる外国人の要求を把握する必要がある。
日本で会った多くの人々は、より安全で便利な旅行を望んだ。先の女性は韓国を5回訪問した経験から「韓国行きの飛行機代が安ければ安いほどいい。ホテルのほかに、いろいろな種類の宿泊施設も必要だと思う」と指摘する。
ここで、旅行の必需品であるグーグルマップが使いにくいという点も不便さとして挙げられた。宿泊業の営業登録もないまま運営される違法企業も多いが、訪韓外国人はこれを区別できない。
新型コロナウイルスで止まっていたグローバル観光時計は、再び急速に回り始めた。K-カルチャーを通じて世界の人々が韓国に注目している。観光のためのフェスティバルなどさまざま楽しめるプログラムも開発しなければならない。一方で、外国人観光客が満足できるインフラを整えるための大胆な措置が打ち出されるべきタイミングでもある。
【MONEYTODAY キ・ソンフン記者】
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News